新しい甘味料ネオテーム・アドバンテームとは?安全性と表示の見方
ネオテームとアドバンテームは、砂糖の数千〜数万倍の甘さを持つ高甘味度甘味料です。使う量が極めて少なく、国の調査でも摂取量は許容量を大きく下回っています。特徴と安全性の評価、ダイエットとの関係、表示の見方を解説します。
Key Pointsこの記事の要点
- ネオテームは砂糖の7,000〜13,000倍、アドバンテームは約14,000〜48,000倍の甘さで、使う量はごくわずかです。
- 国の摂取量調査では、どちらも許容一日摂取量に対する割合は0.00%と報告されています。
- WHOは体重管理目的での甘味料の使用を勧めていません。減量には甘い味の習慣を減らすことが確実です。
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ネオテームとアドバンテームは、砂糖の数千倍から数万倍の甘さを持つ「高甘味度甘味料」です。どちらもアスパルテームをもとに開発され、日本ではネオテームが2007年、アドバンテームが2014年に食品添加物として認められました。甘さが極端に強いぶん使う量はごくわずかで、**国の摂取量調査では、許容一日摂取量に対する割合はどちらも0.00%**と報告されています。過度に恐れる必要はありませんが、ダイエットの切り札にもならない、というのが現時点での正確な評価です。
高甘味度甘味料とは?なぜ使われている?
高甘味度甘味料は、砂糖よりはるかに少ない量で強い甘さを出せる甘味料です。ごく少量で済むため、食品のエネルギーをほとんど増やさずに甘みをつけられます。「カロリーゼロ」「糖類ゼロ」の飲料や菓子、卓上甘味料などに使われています。
日本で使われている主な高甘味度甘味料と、国やWHOなどが設定した許容一日摂取量(ADI)は次のとおりです。ADIは、一生毎日とり続けても健康への悪影響がないと推定される量で、体重1kgあたりの量で示されます。
| 甘味料 | 特徴 | ADI(mg/kg体重/日) |
|---|---|---|
| アスパルテーム | 2つのアミノ酸からつくられる。砂糖の約200倍 | 40 |
| アセスルファムカリウム | 熱に強く、飲料や菓子に広く使われる | 15 |
| スクラロース | 砂糖を原料に化学的に変化させてつくる | 15 |
| ネオテーム | アスパルテームの構造を一部変えたもの。砂糖の7,000〜13,000倍 | 1.0 |
| アドバンテーム | アスパルテームをもとに開発。砂糖の約14,000〜48,000倍 | 5.0 |
ネオテームのADIが小さく見えるのは、それだけ少ない量で甘くなるからでもあります。ADIの数字だけを比べて「危険度」を判断するのは正しくありません。
具体的な量で考えてみましょう。体重70kgの人なら、ネオテームのADIは1日70mgです。ネオテームの甘さを砂糖の約1万倍とすると、70mgは砂糖700g分の甘さに相当します。アドバンテームのADIは1日350mgで、砂糖に換算すると数kg分の甘さです。普段の食事でこの量に届くことは、現実的には考えにくいと言えます。
ネオテームとアドバンテームはどんな甘味料?
どちらもアスパルテームをもとに開発された甘味料ですが、開発の経緯や評価の数字は異なります。
ネオテーム
ネオテームは、アスパルテームの構造の一部を変えてつくられた甘味料です。甘さは砂糖の7,000〜13,000倍、アスパルテームの約30〜60倍とされています。
日本で指定される前から、米国やオーストラリアなど多くの国で使われていました。国内では、食品安全委員会の評価と厚生労働省の審議を経て、2007年に食品添加物として指定されています。
食品安全委員会は、ラットの試験で健康への影響が見られなかった量をもとに、安全の余裕として100で割り、ADIを1.0mg/kg体重/日と評価しました。厚生労働省の審議では、仮に食品中の砂糖を全てネオテームに置き換えた場合でも、推定摂取量は体重1kgあたり1日約0.08mgで、ADIを十分に下回ると試算されています。
ポイント アスパルテームは、フェニルケトン尿症の人のために「L-フェニルアラニン化合物」である旨の表示が義務づけられています。ネオテームも同じ仲間ですが、体内でフェニルアラニンになる量がごくわずかであることなどから、国の審議で同様の注意喚起は不要とされました。
アドバンテーム
アドバンテームは、日本の企業が開発した甘味料で、甘さは砂糖の約14,000〜48,000倍とされています。数値に幅があるのは、使う食品の種類や配合によって甘さの感じ方が変わるためです。
2014年に欧州と米国で認可され、同じ年に日本でも食品添加物として認められました。
食品安全委員会の評価では、遺伝毒性の懸念はなく、発がん性も認められないと判断されました。そのうえで、ウサギの試験で影響が見られなかった量を100で割り、ADIを5.0mg/kg体重/日としています。日本で使われた場合の推定摂取量は体重1kgあたり1日約0.07mgと見積もられ、ADIの2%にも届きません。
安全性はどう評価されている?「新しいから危険」は本当?
新しい甘味料については、「論文が少ないから危険」「アスパルテームのように後から危険性がわかるはず」という主張を見かけます。しかし、どちらも根拠のある主張とは言えません。
まず、論文の数と安全性は別の問題です。添加物として認められるには、体内での動き、遺伝毒性、長期の毒性、発がん性、生殖や発生への影響など、決められた試験の結果を提出し、国の評価を受ける必要があります。
次に、実際にどれだけ口にしているかです。厚生労働省は市販の食品を買い集めて分析する「マーケットバスケット方式」で摂取量を調べています。平成27年度の調査では、ネオテームは試料から検出されず、その後の調査でもネオテームとアドバンテームのADIに対する割合は0.00%と報告されています。
アスパルテームについても、事実関係を整理しておきます。2023年、WHOの国際がん研究機関(IARC)はアスパルテームを「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」グループに分類しました。一方、同じ年にWHOなどの専門家委員会(JECFA)は、ADIを40mg/kg体重/日のまま据え置いています。WHOによると、体重70kgの人がADIを超えるには、アスパルテーム入りの缶飲料を1日9〜14本ほど飲む必要があるとされます。
よくある誤解 「欧米は添加物の規制が厳しいので、こうした甘味料は使われていない」という説明は誤りです。アドバンテームは日本より先に欧州と米国で認可され、ネオテームも米国などで日本より前から使われていました。
糖アルコールや「天然甘味料」とはどう違う?
甘味料には、高甘味度甘味料のほかにも種類があります。ネットでは「人工は危険、天然は安全」と二分されがちですが、実際の区別はもう少し複雑です。
| 種類 | 主な例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 高甘味度甘味料(合成) | アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、スクラロース | ごく少量で強い甘さ。エネルギーはほぼない |
| 高甘味度甘味料(植物由来) | ステビア抽出物 | 植物から得られるが、使い方は合成のものと同じ |
| 糖アルコール | エリスリトール、キシリトール、ソルビトール | 砂糖に近い甘さ。種類によってはエネルギーがある |
WHOの指針では、ステビアも合成の甘味料と同じ「砂糖以外の甘味料」に含まれています。植物由来だから体重管理に向いている、というわけではありません。
糖アルコールは、WHOの指針の対象外です。エネルギーを持つものが多く、砂糖の代わりとしての位置づけが異なるためです。一度にたくさんとると、おなかがゆるくなることがあります。
ポイント 「天然」「人工」という言葉は、作り方を表すもので、安全性や健康効果を示すものではありません。添加物として使われる甘味料は、どれも国の評価を受けた範囲で使われています。
人工甘味料はダイエットに役立つ?
安全性とは別に、「人工甘味料で痩せられるか」という問いには慎重な答えになります。
WHOは2023年、体重管理や生活習慣病の予防を目的に、砂糖以外の甘味料を使うことは勧めないという指針を出しました。理由は、長期的には体脂肪を減らす効果が見られなかったことです。長く使い続けることと、2型糖尿病や心血管疾患などとの関連を示す観察研究もあるとしています。
ただし、この勧告は「条件付き」です。観察研究では、もともとの体格や生活習慣の違いが結果に影響している可能性があるためです。また、糖尿病の人は対象外とされています。
現実的には、次のように考えるのがよいでしょう。
- 砂糖入りの清涼飲料水を毎日飲んでいるなら、甘味料入りに替えるのは、糖分とエネルギーを減らす「つなぎ」の手段になる
- 最終的な目標は、水、お茶、無糖のコーヒーや炭酸水に切り替えること
- 「ゼロカロリーだから」と菓子やデザートを増やしては意味がない
甘い飲み物の見直しは、水の飲み方とダイエットの記事やコーヒーとダイエットの記事も参考にしてください。
どの食品に入っている?原材料表示の見方
どの甘味料が使われているかは商品ごとに違うため、原材料表示で確認するのが確実です。
甘味料は、用途名と物質名をあわせて書くルールになっています。食品の裏の一括表示で、「/(スラッシュ)」以降の添加物欄に、次のように書かれます。
- 甘味料(ネオテーム)
- 甘味料(アドバンテーム)
- 甘味料(アスパルテーム・L-フェニルアラニン化合物、アセスルファムK)
「糖類ゼロ」「カロリーオフ」と書かれた飲料や菓子、プロテインなどの甘い味の加工食品で、甘味料が使われていることがあります。気になる人は、甘味料を一つずつ避けるより、甘い飲み物や菓子そのものの頻度を減らすほうが簡単です。
食品添加物全体の安全性の考え方は、食品添加物のデメリットの記事で詳しく解説しています。
今日からやること
- よく飲む飲料やプロテインの原材料表示で、「甘味料( )」の中身を一度確認する
- 砂糖入りの清涼飲料水を飲んでいるなら、まず1日1本を水かお茶に替える
- 「ゼロカロリー」の商品を理由に、菓子やデザートの量を増やさない
- 甘味料の情報を見たら、公的機関の評価や摂取量調査を確かめてから判断する
FAQよくある質問
Qネオテームやアドバンテームは、アスパルテームと同じようにフェニルケトン尿症の表示が必要ですか?
アスパルテームには「L-フェニルアラニン化合物」である旨の表示が義務づけられています。ネオテームについては、国の審議で摂取量がごくわずかであることなどから、同様の注意喚起は不要とされました。フェニルケトン尿症の人は、主治医の指示に従ってください。
Q論文が少ない新しい甘味料は避けたほうがいいですか?
論文の数と安全性は直接関係しません。ネオテームとアドバンテームは、遺伝毒性や発がん性、生殖への影響などの試験をもとに国が評価し、許容一日摂取量を設定しています。気になる人は、甘い飲み物や菓子全体の量を減らすことで、自然に摂取量も減らせます。
Q人工甘味料入りの飲料と砂糖入りの飲料なら、どちらがいいですか?
砂糖入り飲料を毎日飲んでいる人にとっては、甘味料入りに替えることで糖分とエネルギーは減らせます。ただしWHOは長期的な体脂肪の減少効果は確認できないとしています。最終的には水やお茶、無糖のコーヒーに切り替えるのが確実です。
参考資料
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。