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食品添加物のデメリットとは?本当に注意すべき点と表示の見方

国が認めた食品添加物は、通常の食事量なら健康への影響が出にくい量に管理されています。本当のデメリットは加工食品に偏ることです。安全性の決まり方、根拠の強さ別の注意点、無添加表示と原材料表示の読み方を解説します。

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Business Athlete 編集部
原材料表示が見える加工食品のパッケージを手に取り、裏面の表示を確かめている男性の手元とスーパーの棚

Key Pointsこの記事の要点

  1. 食品添加物は、動物実験の無毒性量の100分の1を目安に、一生毎日とっても影響が出ない量で管理されています。
  2. 根拠がはっきりしているデメリットは、添加物の多い加工食品に偏ると塩分やエネルギーが増えやすいことです。
  3. 「無添加」の表示は安全の証明ではありません。裏面の一括表示で、何がどれだけ入っているかを確かめましょう。
目次7
  1. 食品添加物とは?何のために使われている?
  2. 安全性はどうやって決められている?
  3. 食品添加物のデメリットは?根拠の強さで整理する
  4. 「最も危険な添加物ランキング」は信じていい?
  5. 「無添加」の表示は安全の証拠になる?
  6. 原材料表示はどう読めばいい?
  7. 今日からやること

食品添加物のいちばんのデメリットは、添加物そのものの毒性より、添加物を多く使う加工食品に食事が偏ると、塩分や脂質、エネルギーが増えやすいことです。日本で使われる添加物は、一生毎日とっても健康への影響が出ないと推定される量(ADI)を基準に管理され、実際の摂取量はその量を大きく下回ると国の調査で報告されています。個々の添加物を怖がるより、加工食品の量と中身を整えるほうが、健康への効果は大きくなります。

食品添加物とは?何のために使われている?

食品添加物は、保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造や加工、保存のために使われるものです。食品衛生法で定められ、国が認めたものだけが使えます。

日本で使える添加物は、大きく4つに分かれます。

  • 指定添加物:安全性を評価したうえで国が指定したもの
  • 既存添加物:長く使われてきた実績があり、使用が認められているもの
  • 天然香料:動植物から得られる香りの成分
  • 一般飲食物添加物:普段は食品として食べているものを、添加物の目的で使うもの

「添加物=化学合成された人工のもの」と思われがちですが、実際には天然由来のものも多く含まれます。豆腐を固める「にがり」(塩化マグネシウムなど)も添加物の一つです。

添加物の役割は、主に次の4つです。

  1. 腐敗や食中毒を防ぐ(保存料、酸化防止剤、日持向上剤)
  2. 形や食感をつくる(豆腐用凝固剤、かんすい、増粘剤、乳化剤)
  3. 味や香り、色を整える(調味料、甘味料、香料、着色料)
  4. 栄養を補う(ビタミン類、ミネラル類)

コンビニの弁当や冷凍食品を、出張先や在宅勤務の合間に安心して食べられるのは、こうした添加物が品質を保っているからでもあります。

安全性はどうやって決められている?

添加物の安全性は、食品安全委員会が科学的に評価し、その結果をもとに使ってよい食品や量(使用基準)が決められます。

評価の中心になるのが、ADI(許容一日摂取量)です。動物実験で健康への悪影響が見られなかった最大の量(無毒性量)を、さらに100で割って決めます。100という数字は、動物と人の差を10倍、人による個人差を10倍と見込んだ安全の余裕です。

国は、市販の食品を実際に買い集めて添加物の量を測り、日本人が1日にどれだけとっているかを調べています。この一日摂取量調査では、ADIが設定された添加物の推定摂取量は、ADIを大きく下回ると報告されています。

ポイント ADIは「この量を超えたらすぐ危険」という線ではなく、余裕を持たせた目安です。一方で、評価は新しい研究が出るたびに見直されます。過去には、安全性に疑いが出て指定が取り消された添加物もあります。「一度認められたら永久に安全」ではなく、「見直し続ける仕組みがある」と理解するのが正確です。

食品添加物のデメリットは?根拠の強さで整理する

ネット上には添加物の危険性をうたう情報が多くありますが、根拠の強さはまちまちです。主な論点を、根拠の強さ別に整理しました。

論点根拠の強さ現実的な対策
加工食品中心の食事で食べすぎる人の臨床試験で示されている主食・主菜・副菜をそろえる
加工肉の食べすぎ疫学研究で十分な根拠ありハム・ソーセージを毎日食べない
乳化剤と腸内細菌動物実験と小規模な試験の段階過度に心配せず、加工食品の量を減らす
特定の体質・持病の人への影響物質と体質によって異なる主治医に相談し、表示を確認する

加工食品に偏ると、食べる量が増えやすい

米国国立衛生研究所(NIH)の研究では、20人の成人に、加工度の高い食事と、ほとんど加工していない食事を2週間ずつ、好きなだけ食べてもらいました。提供する食事のカロリーや塩分、食物繊維などはそろえています。

結果、加工度の高い食事の期間は1日あたり約500kcal多く食べ、体重は平均0.9kg増えました。加工していない食事の期間は、平均0.9kg減りました。人数が少なく期間も短い研究ですが、「加工食品中心の食事は食べすぎにつながりやすい」ことを示した点で重要です。

ここで注目したいのは、原因が特定の添加物ではなく「食事全体の加工度」だという点です。

加工肉は「添加物」より「食べる量」の問題

WHOの国際がん研究機関(IARC)は、ハムやソーセージなどの加工肉を、大腸がんとの関連について「人に対して発がん性がある」グループに分類しています。

ただし、この分類は証拠の確かさを示すもので、危険の大きさを示すものではありません。また、対象は加工肉という食品全体で、特定の添加物だけを指したものではありません。毎日食べる習慣があるなら、回数を減らすのが現実的な対策です。

乳化剤と腸内細菌の研究は、まだ途中段階

アイスクリームやドレッシングなどに使われる乳化剤については、マウスで腸内細菌が変化し、軽い炎症や体重増加が起きたという研究があります。2022年には、健康な成人16人を対象に、乳化剤の一種(カルボキシメチルセルロース)を1日15g加えた食事を11日間とってもらう試験が行われ、腸内細菌の多様性が下がったと報告されました。

ただし、人数が少なく、量も多めに設定された試験です。普段の食事でどの程度の影響があるかは、まだわかっていません。

「最も危険な添加物ランキング」は信じていい?

結論から言うと、ネット上のランキングの多くは根拠が不十分です。よく見かける誤解を3つ挙げます。

1つ目は、「調味料(アミノ酸等)は神経毒」という説明です。これはグルタミン酸ナトリウムなどのうま味成分の一括表示です。グルタミン酸は昆布やトマト、チーズにも含まれる成分で、通常の食事量で神経に害が出るという根拠はありません。注意したいのは、うま味の強い加工食品は塩分も多くなりやすい点です。

2つ目は、名前の似た添加物の混同です。ハムやソーセージの発色に使われるのは「亜硝酸ナトリウム」で、ワインなどに使われる「亜硫酸塩」とは別の物質です。名前を取り違えたまま危険性を語る情報も少なくありません。

3つ目は、「添加物が広まってから、がんが増えた」という主張です。がんで亡くなる人の数が増えた大きな理由は高齢化です。年齢構成の影響を除いた年齢調整死亡率で見ると、がんの死亡率は1990年代半ばから下がる傾向にあります。2つの出来事が同じ時期に起きたことは、因果関係の証明になりません。

よくある誤解 「動物実験しかしていないから人での安全性は不明」という主張も見かけます。動物実験の結果に100倍の余裕を見込む仕組みは、まさに人での差を考慮するためのものです。加えて、国は実際の摂取量を継続的に調べています。

「無添加」の表示は安全の証拠になる?

なりません。消費者庁は2022年に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を公表し、誤解を招くおそれがある表示を10の類型に整理しました。たとえば、次のような表示が挙げられています。

  • 何が無添加なのかを書かず、単に「無添加」とだけ表示する
  • 保存料は使っていないが、同じ働きをする別の添加物や原材料を使っている
  • 「無添加だから体にいい」「安全」と、健康や安全に結びつける

「保存料不使用」と書かれていても、日持向上剤や酸味料などで保存性を高めている商品はあります。それ自体は問題ではありませんが、「不使用=添加物ゼロ」とは限らない点は知っておきましょう。

無添加かどうかよりも、栄養成分表示の食塩相当量やエネルギーのほうが、毎日の健康には直結します。

原材料表示はどう読めばいい?

食品の裏にある一括表示では、原材料と添加物を分けて書くルールになっています。多くの商品では「/(スラッシュ)」の後ろが添加物です。改行や別の欄で分けている商品もあります。

読み方のポイントは3つです。

  1. 原材料は重量の多い順に並んでいる。最初に何が来るかで、その食品の中身がわかる
  2. 甘味料、着色料、保存料、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防かび剤、増粘剤などは「甘味料(スクラロース)」のように用途名と物質名が書かれる
  3. 「調味料(アミノ酸等)」「香料」「乳化剤」「pH調整剤」などは、複数の物質をまとめた一括名で書くことが認められている

たとえばコンビニの弁当なら、最初にご飯や鶏肉などの主な材料が並び、その後に調味料や野菜が続きます。「/」の後ろには、「調味料(アミノ酸等)、pH調整剤、グリシン、着色料(カロチノイド)」のように添加物が書かれています。数が多いと不安になりますが、添加物の数と健康への影響の大きさは比例しません。それよりも、同じ裏面にある栄養成分表示の食塩相当量とエネルギーを見るほうが、毎日の食事の判断には役立ちます。

なお、原材料の製造工程で使われ最終製品にはほとんど残らない添加物(キャリーオーバー)や、製造の途中で取り除かれる添加物(加工助剤)は、表示が免除される場合があります。

注意 食物アレルギーがある人は、添加物よりもアレルゲン表示の確認が最優先です。また、アスパルテームを含む食品には「L-フェニルアラニン化合物」と書かれます。フェニルケトン尿症の人は、医師の指示に従って摂取を管理してください。

人工甘味料について詳しく知りたい人は新しい甘味料ネオテーム・アドバンテームの解説、体重との関係は食品添加物で太るのは本当かを検証した記事も参考にしてください。

今日からやること

  1. 次に買う弁当や総菜で、「/」の後ろの添加物と、栄養成分表示の食塩相当量を見比べる
  2. 「無添加」の文字ではなく、裏面の一括表示で中身を判断する
  3. ハムやソーセージ、ベーコンを食べる日を週に数日までに減らす
  4. コンビニで昼食をとる日は、サラダやゆで卵、豆腐などを1品足して加工度の低い食品を混ぜる
  5. 添加物の情報を見たら、出典が公的機関や論文かどうかを確かめる習慣をつける

FAQよくある質問

Q食品添加物は体内に蓄積しますか?

添加物は、体内での吸収・分解・排せつまで含めて安全性が評価されています。「添加物は全て体に蓄積する」という説明に根拠はありません。ただし物質ごとに性質は違うため、評価書や公的機関の情報で個別に確認するのが確実です。

Q「アミノ酸等」と書かれた調味料は危険ですか?

「調味料(アミノ酸等)」は、グルタミン酸ナトリウムなどうま味成分の一括表示です。昆布やトマトにも含まれる成分で、神経毒のように扱う説明には根拠がありません。気をつけたいのは、味の濃い加工食品をとりすぎて塩分が増えることです。

Q無添加の食品を選べば健康になりますか?

無添加かどうかより、食品全体の塩分・脂質・糖分のほうが健康への影響は大きいと考えられます。消費者庁も、単に「無添加」とだけ書く表示や、健康・安全と結びつける表示は誤解を招くおそれがあるとしています。

Q子どもや妊娠中の家族がいる場合は、特に避けるべき添加物はありますか?

基準は子どもや妊婦も含めて設定されています。ただし、アスパルテームはフェニルケトン尿症の人が摂取を制限する必要があるなど、体質や持病によって注意点はあります。持病がある場合は主治医に確認してください。

参考資料

  1. 食品添加物 厚生労働省
  2. 食品添加物の不使用表示に関するガイドライン(令和4年3月30日) 消費者庁
  3. Ultra-Processed Diets Cause Excess Calorie Intake and Weight Gain: An Inpatient Randomized Controlled Trial of Ad Libitum Food Intake(Cell Metabolism, 2019) PubMed
  4. Randomized Controlled-Feeding Study of Dietary Emulsifier Carboxymethylcellulose Reveals Detrimental Impacts on the Gut Microbiota and Metabolome(Gastroenterology, 2022) PubMed
  5. Cancer: Carcinogenicity of the consumption of red meat and processed meat WHO

この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。