水を飲むと痩せるのは本当?体重管理に役立つ飲み方と1日の量の目安
水そのものに脂肪を燃やす力はほとんどありません。体重管理に役立つのは、甘い飲み物を水に置き換えることと、食事の前に水を飲んで食べ過ぎを防ぐことです。研究結果と、1日の量の目安を整理します。
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Key Pointsこの記事の要点
- 水を飲んで代謝が大きく上がるという説は、その後の研究で再現されておらず期待しないほうがよい。
- 減量に役立つのは、甘い飲み物の置き換えと、食前の水で食べ過ぎを防ぐ使い方の2つ。
- 1日2Lにこだわる必要はない。尿の色を見て、コップ1〜2杯ずつこまめに足すのが現実的。
目次7
水を飲むだけで痩せることはありません。水そのものに脂肪を燃やす力はほとんどなく、「代謝が上がる」という説も、その後の研究では確かめられていません。体重管理に役立つのは、①甘い飲み物を水に置き換えて摂取カロリーを減らすこと、②食事の前に水を飲んで食べ過ぎを防ぐこと、の2つです。中高年を対象にした研究では、食事制限に加えて毎食前に500mLの水を飲んだグループのほうが、12週間で約2kg多く体重が減りました。
水を飲むと痩せるのは本当? 結論:水は「減らす道具」
「1日2Lの水を飲めば痩せる」という話は、ダイエットの定番として広く知られています。しかし水の役割を正確に言えば、脂肪を燃やすものではなく、余計なカロリーを減らすための道具です。
水が体重管理に役立つ理由は、次の2つに整理できます。
- 置き換え:砂糖入りの清涼飲料、加糖のコーヒー、ジュースを水に替えると、その分のカロリーがまるごと減る
- 食べ過ぎの予防:食事の前に水を飲むと、その食事でとるエネルギーが少なくなる傾向がある
反対に、甘い飲み物を飲みながら水も2L飲む、という足し算では体重は減りません。まず「何を水に替えるか」を考えるのが出発点です。
甘い飲み物のカロリーは表示で確かめる
置き換えの効果を知るには、いま飲んでいるものの栄養成分表示を見るのが確実です。清涼飲料やボトルコーヒーは「100mLあたり」で表示されていることが多く、500mLのペットボトル1本分は表示の5倍になります。
- 表示が「100mLあたり40kcal」なら、1本(500mL)で200kcal
- 毎日1本を水に替えると、1週間で1,400kcal減る計算
- 清涼飲料の「炭水化物」の欄は、おおむね糖分の量と考えてよい
スポーツドリンクやフルーツ系の飲料も、運動をしていない日に水代わりに飲むとカロリーになります。汗をたくさんかく日以外は、水か無糖のお茶で十分です。
「水を飲むと代謝が上がる」は本当? 研究結果は割れている
2003年に、健康な14人を対象に500mLの水を飲むとエネルギー消費が30%増えたという研究が発表され、「水で代謝が上がる」説の根拠として広まりました。
ところが2006年に、同じ量の水で条件を厳密にそろえて調べた研究では、常温の水を飲んでもエネルギー消費は増えませんでした。3℃に冷やした水では60分間で4.5%ほどの小さな増加がありましたが、体重に表れるほどの量ではありません。
よくある誤解 「水をたくさん飲むと体内の水が入れ替わり、老廃物が流れて脂肪がつきにくくなる」という説明を見かけますが、飲む量で体脂肪が減ることを示した根拠はありません。必要な分を飲めば十分で、多く飲むほど痩せるわけではありません。
まとめると、水で代謝を上げることは期待せず、置き換えと食前の水という使い方に集中するのが現実的です。
体重管理に役立つ水の飲み方は? 場面別の使い方
2010年の研究では、55〜75歳の太り気味の48人を2つのグループに分け、どちらにもカロリーを抑えた食事をしてもらいました。片方は毎食前に500mLの水を飲み、12週間後の体重の減り方は水を飲んだグループのほうが約2kg大きくなりました。研究者は、食前の水でその食事のエネルギー摂取が減ったことが一因と考えています。
この結果を40代の日常に当てはめると、次のような使い方になります。
| 場面 | やること | 狙い |
|---|---|---|
| 朝起きたとき | コップ1杯の水 | 睡眠中に失った水分を補う |
| 食事の前 | コップ1〜2杯を先に飲む | その食事の食べ過ぎを防ぐ |
| 甘い物が欲しいとき | 水か無糖のお茶に替える | 飲み物のカロリーを減らす |
| 会食・飲み会 | お酒と同じくらいの水を挟む | 飲み過ぎと脱水を防ぐ |
| 入浴前後・運動の前後 | コップ1杯ずつ | 汗で失った分を補う |
空腹感と上手につき合う方法はダイエット中の空腹対策、会食の乗り切り方は会食の食べ方戦略でも紹介しています。
ポイント 「食前の水」は、のどが渇いていなくても先に飲むのがコツです。会議続きで昼食を急いでかき込みがちな日ほど、まず水を1杯飲んでから箸を持ちましょう。
1日にどれくらい飲めばいい? 2Lにこだわらなくていい
人の体の約6割は水です。体からは尿や便、呼吸、汗で毎日水分が出ていき、その一部は食事に含まれる水分や体内で作られる水でまかなわれます。足りない分を飲み物で補う、という考え方です。
飲み物として必要な量は、体格や活動量、気温で大きく変わります。一律に「2L」を目標にするより、次の3点で調整するほうが確実です。
- こまめに飲む:環境省は、多くの人は水分が不足気味で、コップの水をあと2杯飲めばおおむね必要量を確保できるとしています
- のどが渇く前に飲む:渇きを感じた時点で、体の水分はすでに減り始めています
- 尿の色で確かめる:厚生労働省の資料では、尿の色が濃くなるほど水分不足が進んでいるとして、色に応じた補給量の目安を示しています
起床時、寝る前、入浴の前後、運動の前後、飲酒中と飲酒後は、とくに意識して飲みたいタイミングです。
水分が足りていないサイン
次のような状態が続くときは、水分が不足しているかもしれません。
- 尿の色が濃い、回数が少ない
- 夕方になると頭が重い、だるい
- 唇や口の中が乾く
- 便が硬くなった
年齢が上がると、のどの渇きを感じにくくなるといわれます。空調の効いたオフィスで一日座っていると汗をかいた実感もないため、渇きを合図にせず、時間や場面で飲むと決めておくほうが確実です。
体重計の数字は水分で毎日動く
減量中に毎日体重を量っていると、前日より1kg近く増えて焦ることがあります。多くの場合、これは脂肪ではなく体の水分量の変化です。塩分の多い外食やお酒の翌日、汗をかかなかった日は、体に水分が多く残りやすくなります。
水をしっかり飲んだ日に体重が増えても、それは飲んだ水の重さです。水を控えて体重を軽く見せても、脂肪は1gも減りません。体重は毎日同じ条件(朝起きてトイレの後など)で量り、1週間の平均の変化で判断しましょう。
注意 腎臓や心臓の病気で治療中の人は、医師から水分量の指示を受けている場合があります。その場合は指示に従ってください。また、短時間に何リットルもの水を一気に飲むと、血液中のナトリウム濃度が下がって体調を崩すことがあります。量を稼ごうとして一度に大量に飲むのはやめましょう。
コーヒーやお茶、お酒は水分補給になる?
環境省の推進運動では、アルコールや多量のカフェインを含む飲み物は尿の量を増やすため、水分補給には適していないとしています。また、砂糖や塩分の濃度が高い飲み物は、体に吸収されるまでに時間がかかります。
飲み物ごとの使い分けは次のとおりです。
- 水・麦茶・無糖の炭酸水:水分補給の主役。カロリーもほぼゼロ
- コーヒー・緑茶:楽しむ飲み物として。量と時間帯に気をつける
- お酒:水分補給にはならない。お酒と同じくらいの水を別に飲む
- 清涼飲料・ジュース:カロリーがあるので、水分補給を目的には選ばない
コーヒーの量やタイミングはコーヒーとダイエットの関係で詳しく解説しています。1日に必要なエネルギーの全体像は1日の摂取カロリーの目安も参考にしてください。
水を習慣にするには? 仕事中に飲み忘れない工夫
水が大事だとわかっていても、仕事に集中していると気づけば夕方まで何も飲んでいない、ということはよくあります。意志に頼らず、仕組みで飲む量を確保しましょう。
- デスクに500mLのボトルを置く:午前に1本、午後に1本で、飲んだ量が目で見てわかる
- 会議の前後に一口ずつ:予定表の区切りを飲むタイミングにする
- 出張・移動の日はかばんに1本入れる:新幹線や飛行機の中は乾燥しやすい
- 自販機やコンビニでは水か無糖のお茶から選ぶ:選ぶ基準を先に決めておく
繰り返し使うボトルなら、容量は500mL前後にすると、午前と午後で1本ずつの目安に合わせやすくなります。かばんに入れるなら、ふたを閉めると漏れない構造で、口が広く洗いやすいものを選びます。
在宅勤務の日は、キッチンに立つたびにコップ1杯飲む、と決めておくと忘れにくくなります。
出張の日は、移動、会議、会食と続いて水を飲むタイミングを逃しがちです。ホテルに着いたらまず1杯、会食から戻ったら寝る前に1杯、と区切りごとに飲む場面を決めておきましょう。夜の会食で塩分の多い料理が続いた翌朝は、のどの渇きやむくみを感じやすいので、朝食前にコップ1杯の水から始めると体調を立て直しやすくなります。
今日からやること
- 今日の飲み物をすべて書き出し、砂糖入りのものを1つ選んで水か無糖のお茶に替える
- 昼食と夕食の前に、コップ1〜2杯の水を先に飲む
- デスクに水のボトルを置き、午前と午後で1本ずつを目安にする
- 会食ではお酒1杯ごとに水を1杯頼む
- 朝のトイレで尿の色を見て、濃ければ午前中に意識して飲む量を増やす
FAQよくある質問
Q冷たい水と常温の水、ダイエットにはどちらがいいですか?
冷たい水を飲むとエネルギー消費がわずかに増えたという報告はありますが、体重に表れるほどの差ではありません。飲みやすい温度のほうが量を確保しやすいので、好みで選んで構いません。胃腸が冷えて不調を感じる人は常温か白湯にしましょう。
Q水をたくさん飲んだら体重が増えました。太ったのでしょうか?
水にはカロリーがないので、脂肪が増えたわけではありません。飲んだ水の重さが一時的に体重計に表れているだけで、尿として出れば戻ります。体重は毎日同じ条件(朝のトイレ後など)で測り、1週間の平均で見ると変化を正しくつかめます。
Q寝る前に水を飲むと夜中にトイレで起きてしまいます。どうすればいいですか?
寝る前のコップ1杯は勧められていますが、夜間のトイレが気になるなら、夕方までに日中の分をしっかり飲み、就寝直前は少量にとどめましょう。夕食以降のお酒やカフェインも尿を増やします。夜中に何度も起きる状態が続く場合は泌尿器科などで相談してください。
Q炭酸水や麦茶でも水の代わりになりますか?
砂糖の入っていない炭酸水や麦茶なら、カロリーはほぼゼロで水と同じように使えます。炭酸水はお腹がふくれる感じがあり、食前の一杯に向いていると感じる人もいます。味付きの炭酸水は砂糖や甘味料が入っているものがあるので、表示を確認しましょう。
参考資料
- 「健康のため水を飲もう」推進運動 環境省
- Water consumption increases weight loss during a hypocaloric diet intervention in middle-aged and older adults(Obesity, 2010) PubMed
- Water-induced thermogenesis reconsidered: the effects of osmolality and water temperature on energy expenditure after drinking(J Clin Endocrinol Metab, 2006) PubMed
- 熱中症の予備軍『隠れ脱水症』の見つけ方 尿の色でセルフチェック 厚生労働省
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。