中性脂肪を減らすには?健診で高いと言われた40代男性の食事と習慣
中性脂肪は空腹時150mg/dL以上で基準超えです。下げる近道は、お酒と甘いもの、主食や間食のとり過ぎを見直し、体重を減らして体を動かすこと。健診の数値の見方、優先順位、受診の目安を整理します。
Key Pointsこの記事の要点
- 健診の中性脂肪は空腹時150mg/dL以上、随時175mg/dL以上で基準超え。300mg/dL以上は受診勧奨。
- 下げる優先順位は、お酒、甘い飲み物やお菓子、主食や間食の量。青魚と食物繊維を足すのはその次。
- 体重を減らし、1日60分程度の歩行に相当する活動を目標に体を動かすと、数値の改善が見込める。
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中性脂肪(トリグリセライド)は、食事でとって余ったエネルギーを蓄える脂肪です。健康診断では空腹時150mg/dL以上、食後などの随時採血では175mg/dL以上が基準を超えた状態で、300mg/dL以上なら受診が勧められます。下げるために優先したいのは、お酒、甘い飲み物やお菓子、主食や間食のとり過ぎを見直すことと、体重を減らして体を動かすことです。中性脂肪は生活習慣の影響を受けやすい数値で、見直しの効果が健診の結果に表れやすい項目でもあります。
中性脂肪とは? 体脂肪やコレステロールとの違い
中性脂肪は、体がエネルギーを蓄えておくための脂肪です。食事でとった脂質のほか、糖質やお酒のエネルギーが余ったときにも肝臓で作られ、血液に乗って運ばれ、脂肪組織に蓄えられます。
よく混同される言葉との違いを整理しておきます。
- 体脂肪:体に蓄えられた脂肪の総称で、主成分は中性脂肪。皮下脂肪と内臓脂肪に分かれる
- 内臓脂肪:お腹の内臓のまわりにつく脂肪。男性につきやすく、中性脂肪の高さとも関係が深い
- コレステロール:細胞の膜やホルモンの材料になる脂質で、中性脂肪とは別物。LDL(悪玉)とHDL(善玉)を健診で測る
中性脂肪そのものは体に必要なエネルギー源です。問題は、使い切れずに血液中や内臓のまわりに増え過ぎることです。お腹まわりが気になる人は男性の内臓脂肪を減らす方法もあわせて読んでみてください。
健診の数値はどこから要注意?
中性脂肪の判定は、2024年度からの特定健診で、空腹時と随時(空腹時以外)で分けて示されるようになりました。
| 判定 | 空腹時 | 随時 |
|---|---|---|
| 基準内 | 149mg/dL以下 | 174mg/dL以下 |
| 保健指導の対象 | 150〜299mg/dL | 175〜299mg/dL |
| 受診勧奨 | 300mg/dL以上 | 300mg/dL以上 |
この基準は、日本動脈硬化学会の診断基準(空腹時150mg/dL以上、随時175mg/dL以上を高トリグリセライド血症とする)にそろえたものです。ここでいう空腹時は、10時間以上食事をとっていない状態を指します。水やお茶などカロリーのない飲み物は飲んでも構いません。
よくある誤解 「健診の前は水も飲んではいけない」と思っている人がいますが、カロリーのない水分はとって構いません。一方で、前夜の深酒や遅い時間の夕食は値を押し上げます。再検査の前日は、とくに飲酒を控えましょう。
なお、基準を超えたからといってすぐに薬が必要になるわけではありません。ほかの検査値や持病、喫煙の有無などを合わせて、治療の必要性が判断されます。
中性脂肪が高いと何が問題?
中性脂肪が高い状態が続くと、動脈硬化を進める要因の一つになります。動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などの原因になる血管の変化です。中性脂肪が高い人は、善玉のHDLコレステロールが低い、内臓脂肪が多い、血圧や血糖が高い、といった状態を併せ持っていることも少なくありません。
メタボリックシンドロームの診断でも、中性脂肪は判定項目の一つです。腹囲が男性で85cm以上あり、そのうえで「中性脂肪150mg/dL以上またはHDLコレステロール40mg/dL未満」「血圧が高め」「空腹時血糖が高め」のうち2つ以上に当てはまるとメタボリックシンドロームと判定されます。中性脂肪だけを単独で見るのではなく、お腹まわりや血圧、血糖とセットで改善していく意識が大切です。
また、中性脂肪がとても高い値になると、急性膵炎の原因になることもあります。
厄介なのは、中性脂肪が高くても自覚症状がほとんどないことです。健診の数字が、体の変化に気づける数少ない手がかりになります。健診結果全体の見方は40代の健康診断結果の読み方で解説しています。
中性脂肪を下げる食事は? 見直す順番
中性脂肪を下げるには、エネルギーのとり過ぎを減らすことが基本です。厚生労働省の情報サイトでも、甘いもの、お酒、油もの、糖質、砂糖入り飲料のとり過ぎを控えることが挙げられています。効果が大きく、取りかかりやすい順に並べると次のようになります。
- お酒を減らす:飲む日と量を決める。休肝日をつくる
- 甘い飲み物と間食をやめる:清涼飲料、加糖の缶コーヒー、果汁ジュース、菓子パン
- 主食と揚げ物の量を整える:大盛り、ご飯のおかわり、締めのラーメンを控える
- 魚を増やす:サバやイワシなどの青魚を週に何回か主菜にする
- 食物繊維を足す:野菜は1日350gが目安。海藻、大豆製品、精製度の低い穀類も取り入れる
お酒は純アルコール量で管理する
お酒の量は、純アルコール量(g)=飲んだ量(mL)×度数÷100×0.8で計算できます。ビール500mL(5%)なら20gです。健康日本21(第三次)では、1日平均の純アルコール量が男性で40g以上になると生活習慣病のリスクを高める飲酒としています。中性脂肪が高い人は、それより少ない量でも見直す価値があります。
果物は「生で適量」、ジュースは控える
果物は体によいイメージがありますが、とり過ぎや果汁ジュース、果糖を含む加工食品は中性脂肪を上げる原因になります。生の果物で1日200g程度(りんごなら1個、バナナなら2本)が目安です。
コンビニ・外食での選び方
自炊が難しい人でも、選び方を変えるだけで中性脂肪の原因を減らせます。
| 場面 | 選ぶもの | 控えたいもの |
|---|---|---|
| コンビニの昼食 | おにぎり+焼き魚やサラダチキン+サラダ | 菓子パン、カップ麺と丼の組み合わせ |
| 定食屋 | 焼き魚定食、刺身定食(ご飯は普通盛り) | 揚げ物定食のご飯大盛り |
| 飲み会 | 刺身、焼き鳥(塩)、枝豆、冷奴 | 揚げ物の盛り合わせ、締めの麺やご飯 |
| 午後の間食 | 無糖のお茶、ナッツを小皿1杯程度 | 加糖の缶コーヒー、菓子類 |
会食が多い人は、会食の食べ方戦略のように、店選びや注文の段階で量を調整するのが現実的です。
ポイント 和食なら安心というわけではありません。天ぷら、丼もの、締めのご飯や麺はエネルギーが多くなりがちです。定食なら焼き魚や刺身を主菜にして、ご飯は普通盛りにするのが失敗しにくい選び方です。
運動と減量はどれくらい効く?
体重を減らし、体を動かすことは、食事の見直しと並ぶ中性脂肪対策の柱です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して次のような目安を示しています。
- 歩行かそれと同じくらいの強さの活動を、1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当)
- 筋力トレーニングを週2〜3日
- 座りっぱなしの時間が長くなり過ぎないようにする
いきなり目標に届かなくても、今より少しでも多く動くことに意味があります。通勤で一駅分歩く、昼休みに10分歩く、エレベーターではなく階段を使う、といった積み重ねで十分です。運動の始め方は初心者のための有酸素運動を参考にしてください。
注意 中性脂肪が高い人は、血圧や血糖も高いことがあります。胸の痛みや息切れがある人、持病で治療中の人は、運動を始める前に主治医に相談してください。
薬が必要なのはどんなとき? 受診の目安
中性脂肪の対策は、まず生活習慣の見直しから始めるのが基本です。ただし、次のような場合は自己流で様子を見ずに医療機関を受診しましょう。
受診の目安 中性脂肪が300mg/dL以上だった。LDLコレステロールも高い、またはHDLコレステロールが低い。糖尿病や高血圧、腎臓の病気がある。生活を見直して数か月たっても数値が下がらない。家族に若くして心筋梗塞や脳梗塞になった人がいる。
受診すると、ほかの検査値やリスクを総合して、治療の必要性や目標値が決められます。市販のサプリメントで自己流に対処するより、医師と数値を確認しながら進めるほうが確実です。
再検査までの3か月の進め方
保健指導の対象(150〜299mg/dL)だった人は、次の健診や再検査までの期間を使って、段階的に取り組むと続けやすくなります。
- 最初の2週間:飲酒量と間食を記録し、どこでエネルギーをとり過ぎているかを把握する
- 1か月目:お酒と甘い飲み物の見直しから始める。休肝日を週2日つくる
- 2か月目:主食と揚げ物の量を整え、魚の日を増やす。歩く時間を1日10分増やす
- 3か月目:体重の変化を確認し、続けられている習慣を固定する
再検査では、前回と同じ条件(空腹時か随時か)で採血を受けると、変化を正しく比べられます。数値が下がらない場合や、かえって上がった場合は、医療機関で相談しましょう。
今日からやること
- 健診結果で中性脂肪の値と、空腹時か随時かを確認する(300mg/dL以上なら受診を予約する)
- 1週間の飲酒量を純アルコール量で記録し、飲まない日を週2日つくる
- 甘い飲み物と間食を1つやめ、水か無糖のお茶に替える
- 週に2〜3回、昼か夜の主菜を青魚にする
- 1日の歩数を確認し、今より1,000歩(約10分)多く歩く
FAQよくある質問
Q健診の前日にお酒を飲むと中性脂肪は上がりますか?
中性脂肪は食事やお酒の影響を受けやすい検査項目です。前夜の飲酒や遅い時間の食事で高く出ることがあります。正確な値を知るには、指示どおり10時間以上食事をとらずに採血を受けましょう。水やお茶などカロリーのない飲み物は問題ありません。
Q中性脂肪が高くても自覚症状がないのですが、放っておいてもいいですか?
中性脂肪が高くても、ほとんどの場合は自覚症状がありません。しかし動脈硬化が静かに進む要因になるため、症状がないことは安心材料になりません。150〜299mg/dLなら生活習慣の見直しを始め、300mg/dL以上なら医療機関を受診してください。
Qフィッシュオイルのサプリを飲めば中性脂肪は下がりますか?
青魚に多いEPAやDHAには中性脂肪を下げる働きが期待されていますが、市販のサプリで数値が確実に下がるとは言えません。まずは食事で魚を週に何回かとりましょう。数値が高い場合は医師に相談すれば、必要に応じて医薬品が検討されます。
Qお酒は完全にやめないといけませんか?
中性脂肪が高い人にとって、お酒は最初に見直したい項目です。完全にやめるのが難しければ、飲む日と量を決めて減らすことから始めましょう。純アルコール量で管理すると、ビール・日本酒・ハイボールを同じ物差しで比べられます。数値が高い場合や医師に止められている場合は従ってください。
参考資料
- 脂質異常症(e-ヘルスネット) 厚生労働省
- 脂質異常症の食事(e-ヘルスネット) 厚生労働省
- 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版 日本動脈硬化学会
- 健康に配慮した飲酒に関するガイドラインについて 厚生労働省
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。