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男性の内臓脂肪は有酸素運動と筋トレどっちで落とす?40代の運動と食事の組み立て

男性の内臓脂肪を減らす運動の軸は有酸素運動です。筋トレ単独では内臓脂肪の減少がはっきりしないため、速歩などで量を稼ぎ、筋トレを週2〜3日足して、食事で収支を整える組み立て方を解説します。

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Business Athlete 編集部
木の床に置かれたランニングシューズと巻き尺、たたんだワイシャツと水のボトルが並ぶ朝の玄関先

Key Pointsこの記事の要点

  1. 研究のまとめでは、内臓脂肪の減少がはっきり確認されたのは有酸素運動で、筋トレ単独では差が出ていません。
  2. 厚生労働省は成人に、息が弾む運動を週60分以上と、筋トレを週2〜3日行うことを推奨しています。
  3. 体脂肪1kgは約7,000kcal。運動の消費は意外に小さいので、食事と組み合わせて収支を整えます。
目次7
  1. 男性のお腹に脂肪がつくのはなぜ?まず腹囲85cmを確認する
  2. 結論:内臓脂肪を減らす中心は有酸素運動
  3. 筋トレは無駄?役割は「落とす」より「守る」
  4. 忙しい40代のための1週間の組み立て例
  5. 食事を変えないと運動の効果は見えにくい
  6. 運動を始める前に確認したいこと
  7. 今日からやること

男性の内臓脂肪を減らす運動の軸は、速歩やジョギングなどの有酸素運動です。運動の種類を比べた研究のまとめでは、有酸素運動で内臓脂肪が減った一方、筋トレ単独でははっきりした減少が確認されていません。とはいえ筋トレにも健康上の利点があり、厚生労働省も週2〜3日を勧めています。「有酸素運動で落とし、筋トレで体を支え、食事で収支を整える」が、忙しい40代にとって現実的な答えです。

男性のお腹に脂肪がつくのはなぜ?まず腹囲85cmを確認する

男性は、お腹の内側(内臓のまわり)に脂肪がたまる「内臓脂肪型」の太り方をしやすいとされています。見た目は手足が細いのに、お腹だけが前に出ているタイプです。

内臓脂肪は、血圧・血糖・脂質の悪化と結びつきやすい脂肪です。そのため日本のメタボリックシンドロームの診断基準では、内臓脂肪がたまっていることを必須の条件にしています。

項目基準(男性)
必須:腹囲(へその高さ)85cm以上(内臓脂肪面積100cm²相当)
脂質中性脂肪150mg/dL以上、またはHDL40mg/dL未満
血圧収縮期130mmHg以上、または拡張期85mmHg以上
血糖空腹時110mg/dL以上

腹囲が基準を超え、下の3項目のうち2つ以上が当てはまるとメタボリックシンドロームと判定されます。健康診断の結果が手元にあれば、まず腹囲と3項目を見比べてください。読み方は40代の健康診断結果の見方でまとめています。

ポイント 腹囲は、へその高さで、息を軽く吐いたときに測ります。ベルトの穴の位置で判断すると、ズボンを下げてはいている分だけ小さく見積もりがちです。

結論:内臓脂肪を減らす中心は有酸素運動

運動と内臓脂肪の関係は、CTやMRIで内臓脂肪を実際に測った比較試験で調べられています。そうした試験35件をまとめた2012年のメタ解析では、次の結果でした。

  • 有酸素運動を行った群は、運動しない群より内臓脂肪が減った
  • 筋トレ単独の群では、運動しない群との差がはっきりしなかった
  • 有酸素運動は、肥満対策の推奨量より少ない量でも内臓脂肪の改善が見込める可能性がある

つまり、お腹の内側の脂肪を減らしたいなら、まず有酸素運動の量を確保するのが筋の通った選び方です。

どのくらいやればいい?

目安は、厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」にある成人向けの推奨量です。

  • 歩行かそれ以上の強さの活動を1日60分以上(1日約8,000歩)
  • 息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上
  • 筋力トレーニングを週2〜3日

いきなり全部を満たす必要はありません。ガイドも「今より少しでも多く体を動かす」ことを出発点にしており、1日10分多く動くことを勧めています。

強さは「会話はできるが、歌うのはきつい」くらい

有酸素運動の強さは、息が弾むものの、隣の人と短い会話ならできる程度が目安です。スマートウォッチの心拍数を使う方法もありますが、年齢から最大心拍数を出す計算式は個人差が大きく、あくまで参考値です。体感で「ややきつい」を基準にすれば十分です。

「20分以上やらないと意味がない」は誤解

「有酸素運動は20分を過ぎてから脂肪が燃える」という話は根強いですが、20分を境に切り替わるわけではありません。運動中は糖と脂肪が同時に使われています。通勤で10分、昼休みに10分、帰りに10分と分けても、1日の運動量として積み上がります。

運動の例強さ(メッツ)体重70kgで10分あたりの消費の目安
速歩4.0約35kcal
自転車(軽い負荷)4.0約35kcal
軽いジョギング6.0約60kcal
ジョギング7.0約70kcal
ランニング8.0約85kcal

(厚生労働省のガイド掲載の表より。安静時の消費を差し引いた値)

膝や腰に不安がある人は、プールでの水中歩行やエアロバイクのほうが続けやすい場合があります。始め方は有酸素運動の始め方も参考にしてください。

筋トレは無駄?役割は「落とす」より「守る」

内臓脂肪を直接減らす効果は有酸素運動に及ばないとしても、筋トレをやめてよい理由にはなりません。厚生労働省のガイドは、筋トレをしている人はしていない人に比べ、死亡や心血管疾患などのリスクが低いという報告を紹介し、週2〜3日の実施を勧めています。筋トレと有酸素運動を組み合わせると、さらに健康効果が期待できるとも書かれています。

減量中に筋肉量を保つ、階段や荷物運びを楽にする、姿勢を支える。筋トレの役割は、脂肪を落とす主役というより、体の土台を守ることです。

腹筋だけではお腹の脂肪は落ちにくい

「お腹を凹ませたいから腹筋運動」と考えがちですが、6週間、週5日の腹筋運動を続けた比較試験では、腹筋の持久力は伸びたものの、腹囲や腹部の脂肪には差が出ませんでした。鍛えた部位の脂肪だけが落ちるわけではないということです。

鍛えるなら、ガイドが勧めるとおり、胸・背中・お尻・太ももなどの大きな筋肉を全身まんべんなく使う種目が効率的です。

  1. スクワット:太もも・お尻。椅子に座るように腰を引き、膝とつま先の向きをそろえる
  2. 腕立て伏せ:胸・腕。きつければ膝をついた形から始める
  3. ヒップリフト:お尻・太もも裏。仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げる

各10回前後を2〜3セット、反動を使わずゆっくり行います。筆者はパーソナルトレーナーについていた時期、ストレッチの後は必ずスクワットから始めていました。大きな筋肉から動かすと体が温まり、その後の運動にも入りやすくなります。

よくある誤解 「筋トレで筋肉をつければ、基礎代謝が大きく上がって勝手に痩せる」と期待しすぎるのは禁物です。筋肉が増えても安静時の消費の増え方は限られます。脂肪を減らす中心は、あくまで活動量と食事です。

同じ日にやるなら筋トレが先

ジムなどで両方をこなす日は、筋トレを先にして、その後に有酸素運動を行う組み立てがよく採用されます。疲れた状態で重りを扱うより安全で、フォームも崩れにくいからです。ただし順番の差より、週あたりの合計量と継続のほうがずっと重要です。

忙しい40代のための1週間の組み立て例

仕事が詰まっている週でも回せるよう、1回の時間を短めにした例です。

曜日内容時間の目安
月・水・金通勤で一駅分を速歩+階段1日20〜30分
火・木自宅で筋トレ3種目15分
土ジョギングかエアロバイク、水中歩行30〜40分
日散歩などで軽く動く(休養日)自由

これで、息が弾む運動が週60分以上、筋トレが週2日になります。出張が入った週は、ホテルの部屋でスクワットと腕立て伏せだけ行い、移動は歩く量を増やすなど、ゼロにしないことを優先してください。

食事を変えないと運動の効果は見えにくい

運動だけで体脂肪を減らそうとすると、思ったより時間がかかります。厚生労働省のガイドでは、体脂肪1kgを減らすのに必要なエネルギーは約7,000kcalとされています。体重70kgの人が速歩を30分しても、消費は約105kcalです。

たとえば3か月で腹囲を3cm(体重で約3kg)減らす目標なら、計算は次のとおりです。

  • 3kg × 7,000kcal = 21,000kcal
  • 21,000kcal ÷ 90日 = 1日あたり約230kcal

このうち100kcal前後を運動で、残りを食事で減らすと無理がありません。運動だけで230kcalを毎日まかなうのは、忙しい時期ほど難しいからです。

食事で見直したいのは、量よりもまず次の習慣です。

  1. 早食い:よく噛み、一口ごとに箸を置く。満腹感が追いつく前に食べ過ぎるのを防ぐ
  2. 夜遅い大盛り:帰宅が遅い日は、主食を減らして汁物や野菜、たんぱく質を中心にする
  3. 会食の締め:締めのラーメンや追加の一杯を「なし」と先に決めておく
  4. 間食と甘い飲み物:缶コーヒーや清涼飲料を、水やお茶に置き換える

会食が多い人は会食の食べ方の戦略も参考になります。

進み具合は体重より腹囲で見る

運動を始めると、体重が思ったほど動かない時期があります。筋トレで筋肉がつき始めたり、体内の水分量が日によって変わったりするためです。内臓脂肪が目的なら、週1回、同じ曜日の同じ時間(たとえば月曜の起床後)に腹囲を測り、月単位の流れで判断してください。

厚生労働省が以前示した内臓脂肪減少のための計画シートでは、腹囲1cmの減少を体重約1kgの減少に相当するものとして計算しています。1か月で1cm減っていれば、計算上は順調なペースです。2〜3週間変化がなくても、やめる理由にはなりません。

運動を始める前に確認したいこと

健康診断で血圧・血糖・脂質のいずれかが「要医療」「要精密検査」となっている人は、自己判断で運動量を急に増やさず、まず医療機関で相談してください。治療中の病気がある人も同様です。

受診の目安 運動中に胸の痛みや締めつけ、強い息切れ、動悸、めまいが出たときは、すぐに運動を中止してください。症状が続く場合や繰り返す場合は、早めに医療機関を受診してください。

また、急な減量は長続きしません。翌日に疲れが残るほどの運動は量か強さが過剰です。少し物足りないくらいで終え、週単位で少しずつ増やすほうが結果的に早く進みます。

今日からやること

  1. 健康診断の結果を出し、腹囲と血圧・血糖・脂質の数値を確認する
  2. へその高さで腹囲を測り、日付と一緒にメモする
  3. 通勤か昼休みに10分の速歩を1回足す
  4. 今週の予定表に、筋トレ15分を2日分書き込む
  5. 夜の会食や遅い夕食では、締めの主食を1品減らす

FAQよくある質問

Q有酸素運動は20分以上続けないと脂肪が燃えないのですか?

20分を境に急に脂肪が使われ始めるわけではありません。運動中は糖と脂肪が同時に使われています。厚生労働省のガイドも、今より1日10分多く体を動かすことから勧めています。10分を3回に分けても、合計の運動量として積み上がります。

Q腹筋運動をすればお腹の脂肪から落ちますか?

その可能性は低いと考えられます。6週間の腹筋運動を行った研究では、腹筋の持久力は伸びた一方、腹囲や腹部の脂肪には差が出ませんでした。お腹を落としたいなら、有酸素運動と食事で全身の脂肪を減らすのが近道です。

Q筋トレと有酸素運動はどちらを先にやるべきですか?

同じ日に両方やるなら、筋トレを先にする組み立てがよく勧められます。ただ、順番より大事なのは週あたりの合計量と継続です。時間がない日は、有酸素運動だけ、筋トレだけでも十分に意味があります。

Q内臓脂肪が多いと言われたら、まず病院に行くべきですか?

腹囲が男性85cm以上で、血圧・血糖・脂質のうち2つ以上が基準を超えるとメタボリックシンドロームと判定されます。健診で要医療や要精密検査と書かれていたら、運動を始める前に医療機関で相談してください。

参考資料

  1. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 厚生労働省
  2. メタボリックシンドロームの診断基準(e-ヘルスネット) 厚生労働省
  3. A systematic review and meta-analysis of the effect of aerobic vs. resistance exercise training on visceral fat(Obesity Reviews, 2012) PubMed
  4. The effect of abdominal exercise on abdominal fat(Journal of Strength and Conditioning Research, 2011) PubMed
  5. 内臓脂肪減少のためのプランニングシート(健康づくりのための運動指針2006) 厚生労働省

この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。