健康診断の結果票の見方|40代がまず見る6項目と判定別の動き方
健康診断の結果票は、判定区分で動き方を決め、次に血圧・腹囲・脂質・血糖・肝機能・尿酸の6項目を前年と比べて読みます。特定健診と人間ドック学会の基準値、C判定・D判定でいつまでに何をするかを整理しました。
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Key Pointsこの記事の要点
- 結果票はまず判定区分(A〜E)で動き方を決め、次に6項目を前年と比べる。単年の数値より、数年分の変化のほうが多くを語る。
- 特定健診では血圧130/85、LDL120、HbA1c5.6%などが保健指導判定値。超えたら生活習慣の見直しを始める合図になる。
- D判定(要精密検査・治療)は放置しないことが最優先。血圧が高めなら健診の再検査より家庭血圧の記録が判断材料になる。
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健康診断の結果票は、まず判定区分(A〜E)を見て「何をすべきか」を決め、次に血圧・腹囲とBMI・脂質・血糖・肝機能・尿酸の6項目を前年と比べて読みます。D判定(要精密検査・治療)があれば最優先で受診を予約し、C判定(要再検査・生活改善)は指定された時期の再検査までに生活習慣を見直します。数値は1回の値で一喜一憂せず、3年分の推移で判断するのがコツです。
結果票はどこから見る?結論:「判定区分→前年比→6項目」の順
結果票には数十の数値が並びますが、全部を理解する必要はありません。次の3ステップで読むと、10分で要点がつかめます。
- 判定区分を見て、D判定とC判定の項目に印をつける。
- 前年、前々年の結果票を横に並べ、6項目の数値が上がっているか下がっているかを見る。
- 印をつけた項目について、この記事の基準値の表で「どの段階か」を確かめる。
判定区分の表記は健診機関によって異なります。日本人間ドック・予防医療学会の判定区分(2026年4月1日改定)では、次の5段階です。
| 判定 | 意味 | 動き方 |
|---|---|---|
| A | 異常なし | 来年も同じ時期に受診する |
| B | 軽度異常 | 生活習慣を1つ見直し、来年の値と比べる |
| C | 要再検査・生活改善 | 指定時期に再検査し、それまで生活改善 |
| D | 要精密検査・治療 | 医療機関を早めに予約する |
| E | 治療中 | 主治医に結果票を見せる |
同学会の2026年改定では、C判定について「経過観察」のような曖昧な書き方をやめ、何か月後に再検査するかを明記するよう求めています。また、以前は「D1」「D2」に分かれていたD判定が一つにまとめられました。古い区分の結果票で「D1」「D2」と書かれていても、どちらも医療機関に行くべき判定です。
前年と比べるときは「方向」を見る
判定がAやBでも、数値が毎年同じ方向に動いていれば注意が必要です。手帳やスマートフォンのメモに、6項目だけを3年分並べて書き出します。
| 項目 | 書き出す数値 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 体重・腹囲 | 3年分の値 | 毎年増えていないか |
| 血圧 | 上と下の値 | 130/85に近づいていないか |
| 中性脂肪・LDL | 3年分の値 | 採血が空腹時だったか |
| HbA1c | 3年分の値 | 5.6%に近づいていないか |
| γ-GT・ALT | 3年分の値 | 飲酒量の変化と連動していないか |
たとえば腹囲が3年続けて増え、同時に血圧とHbA1cも少しずつ上がっているなら、判定が変わる前に生活習慣を見直す時期です。逆に、1年だけ高く出た項目は、採血の条件や前日の過ごし方が影響していないかを先に確かめます。
ポイント 40〜74歳が対象の特定健診では、判定区分の代わりに「保健指導判定値」「受診勧奨判定値」という2つの基準で評価されることがあります。保健指導判定値は生活習慣を見直す合図、受診勧奨判定値は医療機関での確認が必要になりうる合図です。
40代がまず見るべき6項目の基準値は?
厚生労働省の「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」が示す判定値を、40代が気にしやすい項目に絞ってまとめます。
| 項目 | 保健指導判定値 | 受診勧奨判定値 |
|---|---|---|
| 血圧(mmHg) | 130以上 / 85以上 | 140以上 / 90以上 |
| 中性脂肪(mg/dL) | 空腹時150以上(随時175以上) | 300以上 |
| HDL・LDLコレステロール(mg/dL) | HDL40未満、LDL120以上 | LDL140以上 |
| 空腹時血糖(mg/dL) | 100以上 | 126以上 |
| HbA1c(%) | 5.6以上 | 6.5以上 |
| 肝機能(U/L) | AST・ALT31以上、γ-GT51以上 | AST・ALT51以上、γ-GT101以上 |
残りの2項目は人間ドック学会の判定区分で見ます。
- 腹囲とBMI:腹囲は男性85.0cm以上、BMIは25.0以上でC判定です。BMIは「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」で計算します。
- 尿酸:7.0mg/dL以下がA、7.1〜7.9がB、8.0〜8.9がC、9.0以上がD判定です。
数値の読み方で気をつけたいのは、同じ項目でも健診機関によって基準値が少し違うことです。結果票に印字された基準範囲がある場合は、それを優先します。
血圧と腹囲:最初に手を打つべき理由は?
血圧と腹囲は、自分で毎日測れて、生活習慣の変化がすぐ数値に出る項目です。ほかの項目より先に手を打つ価値があります。
血圧が保健指導判定値(130/85mmHg)を超えていたら、健診の1回の値だけで判断せず、家庭血圧を測ります。人間ドック学会の判定区分でも、血圧は健診機関での再検査より家庭血圧の測定が推奨されています。日本高血圧学会が勧める測り方は次のとおりです。
- 上腕で測るタイプの血圧計を使う。
- 朝は起床後1時間以内、トイレを済ませ、朝食前・服薬前に測る。晩は就寝直前に測る。
- 椅子に座って1〜2分待ってから測る。
- 1回の機会に2回測り、平均をとる。
- 週5日以上の記録を残し、受診時に見せる。
家庭血圧が135/85mmHg以上なら、記録を持って医療機関に相談します。健診の値が140〜159/90〜99mmHgの範囲なら、厚生労働省のプログラムでは、服薬よりもまず3か月ほど生活習慣の改善を優先するのが一般的とされています。160/100mmHg以上なら、すぐに受診します。
血圧計は、上腕式であること、腕の太さに合うカフであること、測定値を日付つきで記録できることを基準に選びます。
腹囲は、毎朝のベルトの穴の位置でも変化がわかります。腹囲が85cmを超えている場合は、内臓脂肪の蓄積を疑います。血圧が高いと言われたときの生活面の対策は40代の血圧対策で詳しく扱っています。
脂質と血糖:前日の会食で数値は動く?
脂質と血糖は、採血の条件で数値が大きく変わります。厚生労働省のプログラムでも、血糖や中性脂肪は直前の食事や前日の飲酒の影響を大きく受けると明記されています。
特定健診で「空腹時」とみなされるのは、絶食10時間以上の採血です。朝9時の採血なら、前夜23時までに食事を終える計算になります。健診機関から指示がある場合はそちらに従ってください。
健診の前日と当日は、次の点を確認しておくと、ふだんの体の状態に近い数値が出やすくなります。
- 前日に会食を入れない。入ってしまったら早めに切り上げ、飲酒を控える
- 前日の夕食は軽めにし、採血時刻から10時間を逆算して食べ終える
- 当日の朝食と飲み物は、健診機関の案内どおりにする(水の可否も確認)
- 飲んでいる薬を当日飲んでよいかを、事前に健診機関に確認する
- 血圧測定の前は、急いで来た直後を避け、座って落ち着いてから測ってもらう
なお、人間ドック学会の2026年改定では、血圧は2回測った平均値で判定する形に改められています。
脂質の判定と動き方は次のとおりです。
- LDL180mg/dL以上、または中性脂肪500mg/dL以上:早期に医療機関を受診する。
- LDL140〜179、または中性脂肪300〜499:生活習慣を改善する努力をした上で受診する。
- LDL120〜139、中性脂肪150〜299(空腹時)、HDL40未満のいずれか:生活習慣を改善する。
血糖では、HbA1cに注目します。HbA1cは、血糖の1〜2か月の平均的な高さを示す指標です。前日の食事で大きく動く空腹時血糖と違い、ふだんの生活が表れます。空腹時血糖110〜125mg/dLやHbA1c6.0〜6.4%の範囲では、ブドウ糖負荷試験などの精密検査が勧められます。空腹時血糖126mg/dL以上またはHbA1c6.5%以上なら、すぐに受診します。
注意 中性脂肪は食後に上がりやすい項目です。朝食をとってから受けた健診で高く出た場合は、空腹時に測り直すと判定が変わることがあります。食後採血だったかどうかを結果票で確認してください。
中性脂肪を下げる生活の工夫は中性脂肪を減らす方法、会食の多い人の食べ方は会食で太らない食べ方・飲み方で解説しています。
肝機能と尿酸:お酒と体重のサインをどう読む?
肝機能の3項目(AST、ALT、γ-GT)は、飲酒と体重の影響が出やすい項目です。厚生労働省のフィードバック文例集では、パターンごとに次のように説明しています。
- γ-GTが高く、飲酒の習慣がある:アルコールによる肝障害が疑われます。減酒が勧められます。
- ALTがASTより高く、飲酒量が少ない:脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)が疑われます。肥満が原因になっていることが多く、食事と運動の見直しが勧められます。
- AST・ALTが51U/L以上、またはγ-GTが101U/L以上:健診結果を持って医療機関を受診します。
同じ文例集では、γ-GTの上昇が将来の脳・心血管疾患や糖尿病の発症と関連することが、複数の前向き研究で確認されたと紹介されています。「お酒を飲む人はγ-GTが高くて当たり前」と流さないことが大切です。
尿酸は、7.0mg/dLを超えると軽度異常(B)の扱いになり、9.0以上はD判定です。尿酸値は体重の増加や飲酒と関係しやすいとされるので、肝機能と一緒に見直すと効率的です。
判定別の動き方:いつまでに何をする?
結果票を受け取ったら、判定に応じて期限を決めて動きます。期限の目安は、仕事の予定に組み込みやすいように編集部がまとめたものです。
| 判定 | 期限の目安 | やること |
|---|---|---|
| D(要精密検査・治療) | 結果を受け取ってから1か月以内に予約 | 結果票を持って医療機関へ |
| C(要再検査・生活改善) | 結果票に書かれた再検査時期 | それまでの数か月で生活改善 |
| B(軽度異常) | 翌年の健診 | 生活習慣を1つだけ変える |
| A(異常なし) | 翌年の健診 | 同じ時期に受診する |
厚生労働省のプログラムでは、軽い高血圧ではまず3か月、脂質異常症では3〜6か月の生活習慣の改善が必要とされています。C判定の再検査までの期間は、この改善期間にあてます。
受診するときは、次の物を持参すると話が早く進みます。
- 今年の結果票と、過去2〜3年分の結果票
- 家庭血圧の記録(測っている場合)
- 飲んでいる薬やサプリメントの名前
- 1週間の飲酒量のメモ(種類と量)
受診の目安 D判定がある、家庭血圧が135/85mmHg以上、健診の血圧が160/100mmHg以上、空腹時血糖126mg/dL以上またはHbA1c6.5%以上、LDL180mg/dL以上のいずれかに当てはまる場合は、早めに医療機関を受診してください。
日々の生活の整え方は40代のコンディション管理術にまとめています。
来年の健診に胃・大腸の検査を足すか迷ったら、人間ドックの選び方で年齢別の目安と費用の確かめ方を確認できます。
今日からやること
- 今年の結果票と過去2年分を並べ、6項目の数値を年ごとに書き出す。
- D判定の項目があれば、今週中に医療機関の予約を入れる。
- 血圧が130/85mmHgを超えていたら、家庭血圧を朝晩2回ずつ、5日間記録する。
- 来年の健診日をカレンダーに入れ、前日の会食を避ける予定を組む。
- C判定の項目について、再検査の時期と、それまでに変える生活習慣を1つ決める。
FAQよくある質問
QC判定(要再検査・生活改善)は病院に行かなくてもいいのですか?
すぐの受診は求められていなくても、放置してよい判定ではありません。日本人間ドック・予防医療学会は、C判定では再検査の時期を明記し、行動を具体的に示すよう求めています。結果票に書かれた時期に再検査を受け、それまでの数か月で生活習慣を見直します。
Q健診の前日にお酒を飲むと結果は変わりますか?
変わる可能性があります。厚生労働省の健診プログラムでも、血糖や中性脂肪は直前の食事や前日の飲酒の影響を大きく受けるとされています。空腹時採血は絶食10時間以上が前提なので、前日の夕食は早めに軽く済ませ、飲酒は控えるのが無難です。
Q血圧だけが高めでした。何から始めればいいですか?
まず家庭血圧を測ります。日本高血圧学会は、朝は起床後1時間以内、晩は就寝前に、1回2回測って平均をとる方法を勧めています。5日以上の平均が135/85mmHg以上なら、記録を持って医療機関に相談します。
Q毎年A判定なら、生活は今のままでいいですか?
判定がAでも、数値が毎年少しずつ悪化していれば注意が必要です。腹囲や体重、血圧、HbA1cが3年続けて上がっている場合は、判定が変わる前に生活習慣を見直す時期と考えます。
参考資料
- 判定区分(2026年4月1日改定) 日本人間ドック・予防医療学会
- 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)別紙5 健診検査項目の保健指導判定値及び受診勧奨判定値・フィードバック文例集 厚生労働省
- 標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)第2編第2章 厚生労働省
- 家庭で血圧を測定しましょう 日本高血圧学会
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。