【初心者向け】HIITの注意点とおすすめメニュー|効果が出るまでの期間も解説
初心者のHIITは「全力」でなくて構いません。始める前に体調をチェックし、インターバル速歩から段階的に強度を上げるのが安全です。マンションでもできる跳ばないメニュー、週2〜3回の頻度、効果を判断する期間の目安をまとめました。
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Key Pointsこの記事の要点
- 運動習慣のない40代が急に強い運動をすると事故が起きやすい。始める前に体調をセルフチェックする。
- 最初は3分速歩と3分ゆっくり歩きを繰り返すインターバル速歩から。慣れたら室内の跳ばないHIITへ進む。
- 頻度は週2〜3回で間を1日空ける。体脂肪の変化は、週3回で約10週間を一区切りに判断する。
目次6
初心者のHIITは、毎回「全力」で追い込む必要はありません。始める前に体調をチェックし、最初の2週間は3分速歩と3分ゆっくり歩きを繰り返す「インターバル速歩」で体を慣らしましょう。その後、室内でできる跳ばないメニューに進み、週2〜3回、間を1日空けて続けます。体脂肪の変化は、週3回で約10週間を一区切りに判断するのが目安です。
初心者がHIITを始める前に確認すること
HIIT(高強度インターバルトレーニング)は、短い時間で強い運動と休憩を繰り返す方法です。時間効率が良い反面、体にかかる負担は大きくなります。
厚生労働省の安全指針は、運動中の有害な出来事が起こりやすい場面として、次の2つを挙げています。
- 強度の高い運動を行ったとき
- 普段あまり体を動かしていない人が、急に普段以上の運動を行ったとき
運動から離れていた40代がいきなりHIITを始めると、この2つが同時に当てはまります。始める前に、指針のチェックシートを参考にした次の項目を確認してください。
- 医師から心臓病や高血圧を指摘されたことがある
- ほかに慢性の病気がある、または治療中で薬を飲んでいる
- 安静時や運動中に胸の痛みを感じることがある
- めまいでバランスを崩すことがある、この1年で意識を失ったことがある
- 運動で悪化しそうな骨・関節・筋肉の問題がある
受診の目安 1つでも当てはまる人は、HIITを始める前に医師に相談してください。特に3と4に当てはまる場合は、運動より先に医療機関を受診しましょう。健診で血圧や血糖を指摘されている人は、40代の健康診断の結果の見方もあわせて確認しておくと安心です。
運動中に次の症状が出たら、すぐに中止します。胸や首、腕の痛みや不快感、めまい、強い動悸、いつもと違う息切れや疲労感です。休んでもおさまらない場合は医療機関を受診してください。
初心者がやりがちな3つの失敗
チェックを通過した人でも、始め方を間違えると数週間で止まってしまいます。よくある失敗は次の3つです。
- 毎日やる:効果を急ぐあまり連日行い、疲労や筋肉痛で1週間休むことになる
- ウォームアップを省く:時間がないからといって、冷えた体でいきなり強い区間に入る
- 上級者の動画をそのまま真似る:ジャンプが多く休憩の短いメニューで、フォームが崩れる
HIITの魅力は「短い時間で済む」ことです。準備運動を含めても20分前後に収まるので、準備運動を削る理由はありません。夏場は室温を下げ、運動の前後に水を飲むことも忘れないでください。
初心者のHIITは「全力」でなくていい?
よく「HIITは限界まで追い込まないと意味がない」と言われます。しかし、それは主に体力のある人やアスリート向けの話です。
運動生理学者のギバラらは、2012年の総説で、少ない運動量のHIITでも、従来の持久系トレーニングに近い体の適応(筋肉の代謝や血管機能の改善など)が得られることを紹介しています。ただし同じ総説は、病気のある人などへの応用はまだ研究が限られているとも述べています。初心者が最初から最大強度を目指す理由はありません。
初心者は、次の目安で十分です。
- 強い区間は「ややきつい〜きつい」と感じる強さ
- 区間の終わりには、会話が途切れ途切れになる程度
- フォームが崩れたら、その回は終わりにする
強度は、数週間かけて少しずつ上げていきます。これは筋トレの基本である「少しずつ負荷を高める」という考え方と同じです。厚生労働省も筋トレについて、負荷を徐々に高めることと、休息日をとることを同じくらい重要だとしています。
【段階別】初心者向けHIITメニュー
ステップ1(1〜2週目):インターバル速歩
最初の2週間は、屋外の歩きで「強弱を繰り返す」感覚に慣れます。信州大学の研究グループが、中高年を対象に効果を検証した方法です。
- 「ややきつい」と感じる速歩を3分
- ゆっくり歩きを3分
- これを5セット(合計30分)
2007年に発表された研究では、平均63歳の男女が5か月間、この方法を週4日以上行いました。その結果、一定のペースで歩いたグループより、太ももの筋力、持久力の伸びが大きく、安静時の収縮期血圧の低下も大きいという結果でした。ジャンプも器具も不要で、関節への負担が小さいのが利点です。
ステップ2(3〜6週目):室内でできる跳ばないHIIT
速歩に慣れたら、室内メニューに進みます。マンションでも下の階に響きにくい、ジャンプなしの構成です。
| 種目 | 強い区間 | 休む区間 |
|---|---|---|
| スクワット | 30秒 | 60秒(足踏み) |
| 静かなもも上げ | 30秒 | 60秒(足踏み) |
| 跳ばないバーピー | 30秒 | 60秒(足踏み) |
| ゆっくりのマウンテンクライマー | 30秒 | 60秒(足踏み) |
| 横へのステップ(左右に大きく踏み出す) | 30秒 | 60秒(足踏み) |
| もう一度スクワット | 30秒 | 終了 |
前後には必ず5分のウォームアップと、3分ほどのクールダウンを入れます。ウォームアップは足踏みや肩回し、クールダウンはゆっくり歩くように足踏みをしてから、軽いストレッチで終えます。合計でおよそ17分です。
見慣れない種目のやり方は次のとおりです。
- 跳ばないバーピー:しゃがんで両手を床につき、片足ずつ後ろへ伸ばして腕立ての姿勢に。片足ずつ戻して立ち上がる
- ゆっくりのマウンテンクライマー:腕立ての姿勢から、片膝ずつ胸に引き寄せる。腰が上下しないよう、お腹に力を入れる
- 横へのステップ:膝を軽く曲げたまま、左右へ大きく1歩ずつ踏み出す。腕も振ると心拍が上がりやすい
休む区間を60秒と長めにとるのがポイントです。「20秒運動・10秒休憩」のような休憩の短い形式は、初心者にはきつすぎることが多く、フォームが崩れやすくなります。
床で行う種目が多いので、厚手のマットがあると膝や手首が楽になり、音も抑えられます。選ぶときは、厚さ8〜10mm程度で、滑りにくく、体を伸ばしても足が出ない長さのものを目安にしてください。
ステップ3(7週目以降):休む時間を短くする
ステップ2が楽にこなせるようになったら、休む区間を短くしていきます。
- 強い区間30秒・休む区間45秒で6セット
- 慣れたら、強い区間30秒・休む区間30秒で8セット
- さらに余裕があれば、種目を入れ替えて刺激を変える
一度に複数の条件を変えないことが大切です。時間、セット数、休憩のどれか1つずつ変えましょう。
週何回やる?ほかの運動との組み合わせ
頻度は、週2回から始め、多くても週3回までにします。HIITの日は連続させず、間に1日以上空けてください。HIITの効果を調べた研究のまとめでも、平均的な頻度は週3回でした。
HIITをしない日は、完全に休むか、速歩などの軽い有酸素運動に充てます。厚生労働省が勧める筋トレ(週2〜3日)と組み合わせる場合は、筋トレの翌日をHIITにしないなど、同じ部位に疲れが重ならないように並べます。1週間の具体的な組み方は、有酸素運動とHIITはどっちが痩せる?で例を紹介しています。
HIITがきつすぎると感じたら、無理に続ける必要はありません。中くらいの強さで続ける有酸素運動でも、体脂肪の減り方に大差がないことは研究で示されています。室内での有酸素運動は、有酸素運動を室内・マンションで続ける方法を参考にしてください。
効果が出るまでの期間は?
体脂肪は「約10週間」を一区切りに
HIITと持続型の有酸素運動を比べた13件の研究のまとめ(2017年)では、肥満傾向の成人が平均で週3回・約10週間のトレーニングを行い、体脂肪量とウエストが減っていました。一方で、体重はほとんど変わっていません。
先に紹介したインターバル速歩の研究も、筋力や血圧の変化を確かめたのは5か月間続けた後でした。どちらの研究も、数週間ではなく数か月単位で効果を見ています。
ここから言えるのは、次の3点です。
- 1〜2週間で見た目が変わることは期待しない
- 判断は、8〜12週間続けてからにする
- 体重計より、ウエストの変化と、同じメニューの楽さで進歩を測る
期間を縮めたいなら、食事を整える
運動だけでは体重が落ちにくいのは、HIITでも同じです。減量を目指すなら、食事の見直しを並行して進めましょう。過去にダイエットが続かなかった人は、ダイエットが続かない原因と対策も参考になります。
記録は、日付、メニュー、休む区間の秒数、終わったときのきつさの4つで十分です。数週間分を見返すと、同じメニューが楽になっていることに気づけます。それが続ける力になります。
今日からやること
- チェック項目を確認し、当てはまる人は医師に相談する
- 今週は、3分速歩と3分ゆっくり歩きを5セット、2回行う
- 室内メニュー用に、運動スペースとマットを用意する
- カレンダーに週2回のHIITの日を、1日以上空けて書き込む
- 開始日のウエストを測り、10週間後に比べる
FAQよくある質問
QHIITは毎日やってもいいですか?
初心者には勧めません。強度が高く疲労が残りやすいため、週2〜3回、間に1日以上空けるのが基本です。HIITをしない日は、速歩などの軽い有酸素運動や休養に充てると、週の運動量を保ちながら回復できます。
QHIITは全力でやらないと意味がありませんか?
初心者が毎回全力を出す必要はありません。強い区間は「ややきつい〜きつい」と感じ、終わりの数秒は会話が難しくなる程度で十分です。フォームが崩れるほど追い込むと、けがのリスクが上がります。強度は数週間かけて上げましょう。
QHIITの効果はどれくらいで出ますか?
肥満傾向の成人を対象にした研究のまとめでは、平均で週3回・約10週間のトレーニングで体脂肪とウエストが減っていました。1〜2週間で見た目が変わるものではないので、まず8〜12週間続けることを目標にしましょう。
Qマンションでも静かにHIITはできますか?
できます。ジャンプを省き、スクワット、跳ばないバーピー、ゆっくりのマウンテンクライマーなどで組めば、下の階に響きにくくなります。厚手のマットを敷き、早朝や深夜を避けるとより安心です。
参考資料
- 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 身体活動・運動を安全に行うためのポイント 厚生労働省
- 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 筋力トレーニングについて 厚生労働省
- Physiological adaptations to low-volume, high-intensity interval training in health and disease(The Journal of Physiology, 2012) Gibala MJ ほか
- Effects of high-intensity interval walking training on physical fitness and blood pressure in middle-aged and older people(Mayo Clinic Proceedings, 2007) Nemoto K ほか
- The effects of high-intensity interval training vs. moderate-intensity continuous training on body composition in overweight and obese adults(Obesity Reviews, 2017) Wewege M ほか
この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。