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有酸素運動とHIITはどっちが痩せる?研究結果と併用時の順番・同じ日の組み方

有酸素運動とHIITの体脂肪の減り方は、研究上ほぼ同程度です。違いは必要な時間とキツさで、HIITは約4割短い時間で済みます。40代の選び方、筋トレと併用するときの順番、同じ日にやる場合の組み方まで整理しました。

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Business Athlete 編集部
ジムのゴム床に並べて置かれたランニングシューズとケトルベル、壁に掛かったインターバル用のタイマー

Key Pointsこの記事の要点

  1. 肥満傾向の成人を対象にした研究のまとめでは、HIITと通常の有酸素運動で体脂肪の減り方に差はなかった。
  2. HIITの利点は約4割短い時間で済むこと。運動後の消費(アフターバーン)は全体の1〜2割ほどにとどまる。
  3. 筋力を優先したい日は筋トレを先に。HIITを入れる日は、ほかの運動を軽めにして休養日を挟む。
目次6
  1. そもそもHIITと有酸素運動は何が違う?
  2. 研究ではどっちが痩せる?
  3. 40代はどう選ぶ?目的と状況で使い分ける
  4. 併用するなら順番は?同じ日にやってもいい?
  5. 1週間の組み合わせ例
  6. 今日からやること

体脂肪の減り方だけで比べると、有酸素運動とHIITの差はほとんどありません。肥満傾向の成人を対象にした研究のまとめでは、どちらも体脂肪とウエストが同程度に減り、違いは「HIITの方が約4割短い時間で済む」点でした。時間がない日はHIIT、体力に自信がない時期や疲れている日は有酸素運動、と使い分けるのが40代には現実的です。

そもそもHIITと有酸素運動は何が違う?

HIIT(High-Intensity Interval Training、高強度インターバルトレーニング)は、短い時間の激しい運動と、休憩や軽い運動を交互に繰り返す方法です。一方、ここでいう有酸素運動は、速歩やジョギングのように一定の強さで続ける運動を指します。研究では「中強度持続トレーニング(MICT)」と呼ばれます。

比べる点有酸素運動(持続型)HIIT
強さ会話ができる程度で一定きつい区間と休む区間を繰り返す
1回の時間20〜60分ウォームアップ込みで10〜25分
きつさ・負担低め。毎日でも可能高い。休養日を挟む
向いている人運動再開直後の人、疲れている時期体力に余裕があり、時間がない人

よく誤解されますが、HIITは「筋トレと有酸素運動を混ぜたもの」とは限りません。バイクやランニングで、強い区間と弱い区間を繰り返すのもHIITです。自重のスクワットやバーピーを使うのは、その一つの形にすぎません。たとえば「エアロバイクを30秒強くこぎ、90秒ゆっくりこぐ」を6回繰り返すのも、立派なHIITです。ジャンプのない形を選べば、膝や腰への負担も抑えられます。

研究ではどっちが痩せる?

体脂肪の減り方は「同程度」

2017年に発表された、HIITと持続型の有酸素運動を比べた13件の研究のまとめ(メタ解析)があります。対象は18〜45歳の、肥満または過体重の成人でした。平均で週3回・約10週間のトレーニングを行った結果は、次のとおりです。

  • どちらも、全身の体脂肪量とウエストが有意に減った
  • 体組成のどの指標でも、両者に有意な差はなかった
  • HIITは、必要なトレーニング時間が約40%少なかった

なぜ差がつかないのでしょうか。HIITは1回が短い代わりに強度が高く、持続型は強度が低い代わりに時間が長い。結果として、週あたりに使うエネルギーの合計が近くなりやすいと考えると理解しやすいでしょう。体脂肪を減らすうえでは、運動の「種類」より「量の合計」が大切だと考えられます。

つまり「HIITの方が圧倒的に痩せる」とは言えません。一方で「同じ効果を短い時間で得られる」点は、HIITの確かな利点です。なお、この研究では体脂肪は減ったものの、体重はほとんど変わっていませんでした。運動だけでは体重が落ちにくいことは、有酸素運動のダイエット効果は何分から?でも計算で示しています。

「運動後も脂肪が燃え続ける」の実際

HIITの宣伝でよく使われるのが、アフターバーン効果です。正式にはEPOC(運動後過剰酸素消費)といい、運動のあともしばらく酸素の消費量が高い状態が続く現象を指します。

現象そのものは本当にあります。ただ、その大きさは期待されるほどではありません。EPOCに関する研究をまとめた2006年の総説によると、EPOCが大きくなる条件の運動でも、その量は運動中の消費の6〜15%程度でした。総説は、体重の維持に効くのは主に運動中に使ったエネルギーの積み重ねだ、と結論づけています。さらに、EPOCを長く続かせるほどの強い運動は、運動習慣のない人にはまず耐えられない、とも指摘しています。

よくある誤解 「HIITなら数分で一日中脂肪が燃える」は言い過ぎです。運動後の上乗せは小さく、HIITも結局は、週に何回続けられるかで結果が決まります。

40代はどう選ぶ?目的と状況で使い分ける

どちらが優れているかより、今の自分の状況に合うかで選ぶのが合理的です。

状況おすすめ理由
運動から何年も離れていた有酸素運動不慣れな人の急な強い運動は事故が起きやすい
平日に20分も取れないHIIT(週1〜2回)短い時間で同じ程度の効果が期待できる
健診で血圧や血糖を指摘された有酸素運動+医師に相談運動で血圧が上がるため注意が必要
膝や腰に痛みがある有酸素運動(低衝撃)ジャンプを含むHIITは関節に負担がかかる
体力がつき、変化が止まった一部をHIITに置き換え刺激を変えて運動量を確保しやすい

厚生労働省の安全指針は、運動中の有害な出来事が起こりやすい場面として、強度の高い運動と、不慣れな人が急に普段以上の運動をしたときを挙げています。40代の再開組がいきなりHIITから入るのは、この2つが重なる選択です。

また、ガイド2023が勧める運動量「週4メッツ・時」は、強度が高いほど短い時間で届きます。4メッツの速歩なら60分、8メッツのランニングなら30分で同じ量です。HIITが時間効率に優れるのは、この計算からも説明できます。

実際には、どちらか一方に決める必要はありません。両方の「型」を持っておくと、予定に合わせて切り替えられます。出張先のホテルで時間が15分しかない朝はHIIT、会食続きで疲れている週は速歩だけ、という具合です。1つの方法にこだわって「今日はできない」日を増やすより、週の運動量を途切れさせない方が結果につながります。

併用するなら順番は?同じ日にやってもいい?

筋トレと組み合わせる順番

筋トレと持久系の運動を同じ日に行うときの順番は、2018年に研究のまとめが出ています。

  • 筋トレを先にした方が、下半身の最大筋力の伸びがやや大きかった(平均約4kg)
  • 持久力(最大酸素摂取量)の伸びは、順番による差がなかった

筋肉をつけたい、落としたくないという40代は、筋トレ→有酸素運動(またはHIIT)の順にするのが合理的です。体脂肪の減り方に順番が大きく影響する、という確かな根拠は今のところ見当たりません。順番に悩むより、両方を続けることを優先しましょう。

HIITと有酸素運動を同じ日に行う場合

同じ日に両方を行うこと自体は問題ありません。気をつけたいのは、合計の負担です。

  1. HIITを先に、元気なうちに行う
  2. そのあとの有酸素運動は、会話ができる速歩程度で10〜20分にとどめる
  3. HIITの翌日は休養か、軽い有酸素運動にする

HIITの後にさらに長く走るような組み方は、疲労を重ねるだけになりがちです。翌日に脚が重く、運動そのものが嫌になれば本末転倒です。

1日の中で時間を分けるのも一つの方法です。たとえば在宅勤務の日なら、朝の始業前にHIITを15分、夕方の買い物ついでに速歩を20分という形です。まとめて40分取れない日でも、合計の運動量は確保できます。

注意 運動中に胸の痛み、強い息切れ、めまいが出たら、すぐに中止してください。症状が続く場合や繰り返す場合は医療機関を受診しましょう。

どちらを選んでも、食事の見直しは欠かせない

先ほどのメタ解析でも、HIITと持続型のどちらも体脂肪は減った一方、体重はほとんど変わっていませんでした。運動だけで体重を大きく落とすのは難しく、会食や間食が多いままでは、どちらを選んでも結果は出にくいということです。お腹まわりが気になる人は、40代男性の内臓脂肪を減らす食事と運動もあわせて確認してください。

1週間の組み合わせ例

ガイド2023の目安(息が弾む運動を週60分以上、筋トレ週2〜3日)を満たしつつ、HIITを週2回入れる例です。

曜日内容時間
月筋トレ(全身)→軽い速歩30分
火速歩またはバイク30分
水HIIT(ウォームアップ・整理運動込み)20分
木休養(通勤で歩く程度)―
金筋トレ(全身)→軽い速歩30分
土HIIT+速歩10分30分
日休養か長めの散歩自由

HIITの日は連続させず、間に1日以上空けています。会食や出張で崩れた週は、HIITを速歩に置き換えるだけで十分です。HIITのやり方や初心者向けのメニューは、初心者向けHIITの注意点とおすすめメニューで詳しく解説しています。週に何回の運動が現実的かは、パーソナルトレーニングは週何回が効果的かの考え方も参考になります。

今日からやること

  1. 「HIITの方が圧倒的に痩せる」という期待を手放し、続けやすい方を選ぶ
  2. 運動から離れていた人は、2〜4週間は有酸素運動だけで体を慣らす
  3. 慣れたら、週1〜2回だけ有酸素運動をHIITに置き換える
  4. 筋トレと同じ日に行うときは、筋トレを先にする
  5. HIITの日は連続させず、翌日は休養か軽い運動にする

FAQよくある質問

QHIITは運動後も脂肪が燃え続けるので、有酸素運動より痩せますか?

運動後に消費が高まる現象(EPOC)は実際にあります。ただし研究のまとめでは、その量は運動そのものの消費の6〜15%程度とされています。減量への寄与は小さく、体重管理の主役はあくまで運動中の消費量の合計です。

QHIITと有酸素運動を同じ日にやってもいいですか?

やっても構いません。ただし、HIITの後に長くキツい有酸素運動を重ねると、疲労やけがのリスクが上がります。同じ日に行うなら、HIITのあとは軽い速歩やクールダウン程度にとどめ、翌日は休養か軽い運動にしましょう。

Q筋トレと有酸素運動は、どちらを先にやるべきですか?

研究のまとめでは、筋トレを先にした方が下半身の筋力の伸びがやや大きく、持久力の伸びは順番で変わりませんでした。筋力や筋肉を優先したいなら筋トレを先に、という考え方が合理的です。

Q40代の運動初心者は、どちらから始めるべきですか?

まずは通常の有酸素運動から始めるのがおすすめです。体脂肪の減り方に大差はなく、強度が低い分、けがや体調悪化のリスクも抑えられます。2〜4週間続けて体が慣れてから、週1〜2回だけHIITに置き換えると無理がありません。

参考資料

  1. The effects of high-intensity interval training vs. moderate-intensity continuous training on body composition in overweight and obese adults: a systematic review and meta-analysis(Obesity Reviews, 2017) Wewege M ほか
  2. Effects of exercise intensity and duration on the excess post-exercise oxygen consumption(Journal of Sports Sciences, 2006) LaForgia J ほか
  3. The physiological effects of concurrent strength and endurance training sequence: A systematic review and meta-analysis(Journal of Sports Sciences, 2018) Murlasits Z ほか
  4. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版 厚生労働省
  5. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 身体活動・運動を安全に行うためのポイント 厚生労働省

この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。