05 ROUTINE 習慣・朝活

ダイエットが続かないのは意志が弱いから?原因と食べてしまう時の対策

ダイエットが続かない主な原因は、意志の弱さより、極端な制限、大きすぎる目標、体重の日々の上下への一喜一憂です。おいしい物を見ると食べたくなるのは誰にでもある反応です。続かない原因の見分け方と、食べてしまうときの具体策を解説します。

更新
公開
読了
8分
編集
Business Athlete 編集部
朝の食卓に並ぶ焼き魚とご飯、みそ汁と小鉢の和定食、足元の体重計と鉛筆を添えたメモ帳

Key Pointsこの記事の要点

  1. 空腹でなくても食べたくなるのは、おいしさや快さを求める食欲の働きで、意志の弱さだけが原因ではありません。
  2. 続かない人の多くは制限が極端か目標が大きすぎます。まずは体重の3〜4%減を目標にすると続けやすくなります。
  3. 体重は日によって上下します。毎日測りつつ、判断は1週間の平均で行うと一喜一憂せずに済みます。
目次7
  1. ダイエットが続かないのは意志が弱いから?
  2. ダイエットが続かない5つの原因
  3. どのくらいのペースなら続く?目標の立て方
  4. 食べてしまう人はどうする?
  5. 会食や出張が続く週はどうする?
  6. 体重が減らない日はどう考える?
  7. 今日からやること

ダイエットが続かない主な原因は、意志の弱さより「制限が極端すぎる」「目標が大きすぎる」「体重の日々の上下に振り回される」の3つです。お腹が空いていないのに食べたくなるのは、おいしさや快さを求める食欲の働きで、誰にでも起こります。食事を抜かず、目標を体重の3〜4%減から始め、食べたくなったときの対処を先に決めておけば、ダイエットは続けやすくなります。

ダイエットが続かないのは意志が弱いから?

結論は「意志だけの問題ではない」です。

人の食欲には、体のエネルギーが足りないときに起きる空腹とは別に、おいしい物を食べる快さを求める食欲があると考えられています。2007年に発表された総説では、これを「快楽性の空腹(hedonic hunger)」と呼び、食べ物があふれた豊かな社会では、カロリーの必要からではなく快さから食べる割合が増えていると指摘しています。

同じ総説では、食事を制限している人に見られる食欲の乱れは、必要量より少なく食べていることよりも「食べたい量より少なく食べている」ことから来ている可能性が高いとも述べています。つまり、我慢を重ねるほど「食べたい」という気持ちは強まりやすいのです。

会議の後に置かれた差し入れ、帰り道のコンビニ、会食のデザート。40代の会社員の周りには、空腹とは関係なく食べたくなるきっかけがあふれています。食べてしまうのは意志が弱いからではなく、そうなりやすい環境にいるからです。対策は、気合いではなく設計で考えます。

ダイエットが続かない5つの原因

続かなかった過去を振り返り、当てはまるものを確認してください。

原因ありがちな例見直し方
制限が極端夕食を抜く、炭水化物をゼロにする主食・主菜・副菜をそろえて量を調整する
目標が大きすぎる1か月で5kg減らす体重の3〜4%減を当面の目標にする
体重の上下に一喜一憂増えた日にやる気をなくす1週間の平均で判断する
運動がきつすぎるいきなり毎日ジムで1時間歩数を増やすところから始める
基本の仕組みを知らない「〇〇だけ食べれば痩せる」を試す摂取と消費のエネルギー収支を理解する

極端な制限は「食べたい」を強める

e-ヘルスネットでは、特定の食品を抜くような極端な方法は避け、主食・主菜・副菜をそろえたバランスの良い食事を基本にするよう勧めています。単品ダイエットや夕食抜きは短期間なら体重が落ちても、我慢が続かず元の食べ方に戻りがちです。

食事のバランスの目安として、「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、総エネルギーに占める割合の目標量を、たんぱく質13〜20%(50〜64歳は14〜20%)、脂質20〜30%、炭水化物50〜65%としています。炭水化物は「抜く」のではなく、ご飯の量を少し減らす程度の調整から始めます。バランスの考え方は PFCバランスとは で詳しく説明しています。

目標が大きいと、やめる理由が増える

「夏までに10kg」のような目標は、最初のやる気を高めてくれます。しかし、1か月たっても目標の数分の1しか減っていないと、「このペースでは間に合わない」と感じてやめる理由になります。さらに、大きな目標を達成するには制限を強めるしかなく、前の項で見たように「食べたい」気持ちを強めてしまいます。

目標は、達成できそうだと感じられる大きさに分けます。3か月で体重の3〜4%を当面の目標にし、達成したら次の3か月の目標を立て直します。

「〇〇だけで痩せる」を信じない

体重が減るかどうかは、基本的に食事でとるエネルギーと体を動かして使うエネルギーの差で決まります。厚生労働省の情報シートでも、体重や体組成が変わらなければ、摂取と消費のエネルギーはほぼ等しいと考えられるとしています。特定の食品を食べるだけ、飲むだけで脂肪が落ちるわけではありません。この基本を押さえておくと、新しいダイエット法に次々と飛びついては挫折する、という繰り返しを避けられます。

運動は「続けられる量」から

運動習慣のない人がいきなり激しい運動を始めると、疲労や筋肉痛で数日で止まります。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人は歩行またはそれと同等以上の身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上)行うことを推奨していますが、目安に届かなくても今より少しでも体を動かすことに意義があるとしています。まずは今の歩数に1日1,000歩足すところから始めます。

どのくらいのペースなら続く?目標の立て方

ペースの目安は「数か月で体重の3〜4%」です。e-ヘルスネットでは、この程度の緩やかな減量でも検査値の改善が期待できるとしています。

具体的に計算してみます。体脂肪1kgを減らすには約7,000kcalが必要とされています。

  1. 体重85kgの人の3.5%は約3kg
  2. 3kg分の体脂肪は約21,000kcal(7,000kcal×3)
  3. 3か月(約90日)で割ると、1日あたり約230kcal

1日約230kcalは、缶ビール500ml1本と少しのつまみ、あるいはご飯を茶碗1杯から半分に減らして食後の甘い物を控える程度の量です。これなら、会食がある週でも調整がききます。自分に必要なエネルギー量は 1日に必要なカロリーの計算方法 で確認できます。

注意 この計算は目安です。実際の体重の減り方は体の水分量や筋肉量によって変わり、減量を続けると減り方がゆるやかになる時期もあります。持病がある人や薬を飲んでいる人は、食事を大きく変える前に主治医に相談してください。

食べてしまう人はどうする?

「食べたい」と感じたとき、それが空腹なのか、快さを求める食欲なのかを分けて考えると対処しやすくなります。

空腹をつくらない

  1. 1日3食をできるだけ決まった時刻にとる:食事を抜くと強い空腹になり、次の食事や間食で取り返したくなる人は少なくありません。
  2. 毎食に、たんぱく質のおかずを1品入れる:朝ならゆで卵や納豆、昼なら焼き魚や鶏肉の定食を選びます。
  3. 野菜や汁物から食べ始め、よく噛む:一口ごとに箸を置くと、食べる速さを落とせます。

「食べたい」に備える

  1. 間食のルールを決める:e-ヘルスネットでは「間食は1日1回まで」のように、具体的な目標にすると実践しやすいとしています。時刻と量を決め、皿に出して食べます。
  2. 食べたくなったら10分待つ:まず水やお茶を飲み、10分後にまだ食べたければ決めた量だけ食べます。
  3. 目に入る場所に置かない:デスクや自宅のテーブルの上に食べ物を出しっぱなしにしません。

お酒が入ると崩れる人は

晩酌や飲み会の後に、つまみやラーメンが止まらなくなる人は少なくありません。お酒そのもののエネルギーに加えて、酔うと「今日はいいか」と決めたルールが緩みやすくなります。厚生労働省の飲酒ガイドラインでは、男性は1日平均の純アルコール量40g以上で生活習慣病のリスクが高まるとしています。5%のビールなら500mlで約20gです。

対策は、飲む量を先に決めて冷蔵庫に入れておく本数を限ること、そして飲んだ後に食べてよい物(冷ややっこや枝豆など)をあらかじめ用意しておくことです。

空腹がつらいときの具体的な食べ物の選び方は ダイエット中の空腹対策 にまとめています。

会食や出張が続く週はどうする?

40代の会社員がダイエットをやめるきっかけで多いのが、会食や出張が続いて食事のペースが崩れたときです。「今週はもう無理だ」と投げ出すと、そのまま元の生活に戻ってしまいます。

崩れやすい週は、1日単位ではなく1週間単位で調整すると考えます。

  1. 会食の予定が入ったら、その前後の日の食事を普段どおりか少し軽めにする
  2. 会食では、最初に野菜や刺身など軽い料理から手をつけ、締めの炭水化物は控えめにする
  3. 出張先のコンビニでは、おにぎりやパンだけで済ませず、サラダチキンやゆで卵などたんぱく質のおかずを1品足す
  4. 出張中も起床後の体重測定だけは続け、帰ったら翌朝から普段の食事に戻す

完璧を目指すより、崩れた後にすぐ戻れることのほうが大切です。移動の多い時期の体調管理は 出張・移動が多い人の体調管理 もあわせて参考にしてください。

体重が減らない日はどう考える?

体重は、前日の食事の塩分や水分、便通、運動後のむくみなどで日によって上下します。前日より増えていても、それがすぐ脂肪の増加を意味するわけではありません。

それでも、体重は毎日測ることをおすすめします。定期的な体重測定を調べた17の研究をまとめた報告では、体重を測る習慣は体重減少と関連し、うつや不安などの心理的な悪影響とは関連していませんでした。

一喜一憂しないためのコツは次のとおりです。

  1. 起床後、トイレを済ませてから同じ条件で測る
  2. 毎日記録し、判断は日曜日に1週間の平均で行う
  3. 平均が2週続けて変わらなければ、食事か歩数のどちらか1つだけを見直す
  4. 体重計の数字だけでなく、ベルトの穴の位置やスラックスのきつさも月に1回確認する

ポイント e-ヘルスネットでは、できない日があっても落ち込まず、数日単位で調整する柔軟さが大切だとしています。会食で食べ過ぎた翌日に食事を抜くのではなく、次の食事から普段どおりに戻します。

今日からやること

  1. 今の体重の3〜4%を計算し、3か月後の目標として書き出す
  2. 夕食抜きや炭水化物ゼロなど、極端な制限をしているならやめる
  3. 明日の3食それぞれに、たんぱく質のおかずを1品入れる
  4. 間食は「1日1回、15時に、決めた量だけ」とルールを決める
  5. 明日の朝から体重を測り、判断は1週間の平均で行う

FAQよくある質問

Qダイエット中に食べてしまうのは意志が弱いからですか?

それだけが原因ではありません。人の食欲には、エネルギーが足りないときに起きる空腹とは別に、おいしさや快さを求める食欲があると考えられています。身近においしい物があふれた環境では、誰でも食べたくなるのは自然な反応です。環境と食べ方の設計で対処します。

Qどのくらいのペースで痩せれば続けやすいですか?

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、体重の3〜4%程度の緩やかな減量でも検査値の改善が期待できるとしています。体重85kgなら約3kgです。体脂肪1kgは約7,000kcalとされるため、3か月で3kgなら1日あたり約230kcalを減らす計算になります。

Q毎日体重を測ると、増えた日に落ち込んでしまいます。測らないほうがいいですか?

測ることはおすすめです。定期的な体重測定に関する研究をまとめた報告では、測る習慣は体重減少と関連し、うつや不安などの悪影響とは関連していませんでした。体重は水分などで日々上下するので、判断は1週間の平均で行います。

Qたんぱく質はどのくらいとればいいですか?

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、たんぱく質の目標量を総エネルギーの13〜20%(50〜64歳は14〜20%)としています。ダイエット中でも極端に増やす必要はなく、毎食に肉・魚・卵・大豆製品のどれかを入れることを意識します。

参考資料

  1. Hedonic hunger: a new dimension of appetite? Physiology & Behavior(Lowe MR, Butryn ML, 2007)
  2. 肥満・メタボリックシンドローム予防の食事 厚生労働省 e-ヘルスネット
  3. 「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動とエネルギー・栄養素 厚生労働省 e-ヘルスネット
  4. 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書 厚生労働省
  5. Self-weighing in weight management: a systematic literature review Obesity(Zheng Y, et al., 2015)