02 MOVE ダイエット・運動

有酸素運動は何分やればダイエット効果がある?効果が出るまでの期間の目安

有酸素運動に「20分以上でないと無駄」という最短時間はありません。減量目的なら週150〜250分以上が目安です。体脂肪1kgは約7,000kcalで、速歩30分を週5回なら約3か月かかる計算。期間を縮める食事との組み合わせ方も解説します。

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Business Athlete 編集部
木の床に置かれたランニングシューズとストップウォッチ、チェック印を書き込んだ小さなノート

Key Pointsこの記事の要点

  1. 1回20分以上続けなければ効果がない、という最短時間はない。10分ずつの積み重ねでも意味がある。
  2. 健康づくりの目安は息が弾む運動を週60分。減量が目的なら週150〜250分以上が一つの目安になる。
  3. 体脂肪1kgは約7,000kcal。運動だけだと時間がかかるため、食事の調整と組み合わせる。
目次6
  1. 有酸素運動は何分から効果がある?
  2. ダイエット目的なら週にどのくらい必要?
  3. 1回を長くするのと回数を増やすのは、どちらがいい?
  4. 効果はいつから出る?期間を計算してみる
  5. 運動だけで痩せにくいのはなぜ?
  6. 今日からやること

有酸素運動に「1回20分以上でないと無駄」という最短時間はありません。10分ずつでも、積み重ねれば効果があります。ダイエットが目的なら、中くらいの強さで週150〜250分以上が一つの目安です。体脂肪1kgは約7,000kcalにあたるため、速歩30分を週5回続けても、運動だけでは約3か月かかります。

有酸素運動は何分から効果がある?

「20分説」は根拠が弱い

「脂肪が燃え始めるのは運動開始から20分後」という話を、一度は聞いたことがあるでしょう。これを信じて、20分歩けない日は運動をあきらめていた人も多いはずです。

実際には、運動を始めた直後から、体は糖と脂肪の両方をエネルギーとして使っています。運動を続けるうちに脂肪を使う割合が高まっていく、というのが正確な理解です。20分を境にスイッチが切り替わるわけではありません。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、この疑問にはっきり答えています。1回20分以上続けないと効果がないといった最短の持続時間はなく、短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られる、という内容です。

ポイント 朝10分、昼休みに10分、帰宅後に10分。合計30分なら、まとめて30分歩くのと同じように数えて構いません。

1日10分増やすだけでも意味がある

ガイド2023では、1日あたり10分の身体活動を増やすことで、生活習慣病の発症や死亡のリスクが約3%低下すると推測されています。40代で運動習慣がない人にとって、「今より10分多く動く」は最初の目標として十分です。

ダイエット目的なら週にどのくらい必要?

「健康を保つための量」と「体重を減らすための量」は、分けて考える必要があります。

目的目安出典
健康づくり(最低ライン)息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上厚生労働省 ガイド2023
体重を増やさない中強度の運動を週150〜250分米国スポーツ医学会
意味のある減量中強度の運動を週250分超米国スポーツ医学会

米国スポーツ医学会(ACSM)の見解では、週150〜250分の中強度の運動は体重増加の予防に有効とされています。ただし、それだけでの減量幅は小さめです。はっきりした減量につながったのは週250分を超える量でした。週150〜250分でも、適度な食事制限と組み合わせると減量の効果は高まるとされています。

平日に週150分を確保する時間割の例

出社日と在宅勤務の日が混ざる働き方を想定すると、次のような組み方で週150分に届きます。

  1. 出社日(週3日):駅まで遠回りして速歩10分×往復=1日20分
  2. 在宅勤務の日(週2日):昼休みに速歩20分
  3. 土曜:30分の速歩か、軽いジョギング
  4. 日曜:休み。散歩程度にとどめる

合計は60分+40分+30分=130分。平日のどこかで10分を2回足せば150分です。「運動の時間を新しく作る」より「移動を運動に変える」発想の方が、忙しい時期でも崩れにくくなります。

週250分は、1日に直すと約35分です。毎日まとまった時間を取るのは難しくても、通勤の歩きや昼休みの散歩を合わせれば、手の届く数字です。厚生労働省のガイドが勧める「1日60分以上の身体活動(約8,000歩)」も、運動と日常の動きを合わせた量です。

1回を長くするのと回数を増やすのは、どちらがいい?

「45分以上は逆効果」説について

「有酸素運動を45分以上続けると、ストレスホルモンで筋肉が分解されて逆効果になる」という話もよく見かけます。しかし、45分という線引きを裏づける明確な根拠は見当たりません。ガイド2023も、身体活動の「やりすぎ」の量はまだ明らかでないとしたうえで、けがや体調に注意して無理をしないことを求めています。

初心者は「回数」を優先する

40代で運動を再開する人に向くのは、1回を長くするより回数を増やす方法です。理由は3つあります。

  1. 疲労や関節の痛みが出にくく、翌日に響きにくい
  2. 予定が詰まった日でも、15〜20分なら確保しやすい
  3. 週あたりの合計時間は、回数で十分に稼げる

目安としては、最初の1か月は1回15〜30分を週4〜5回。慣れてきたら、休日だけ45〜60分に延ばすような組み方が現実的です。室内で短時間から始める方法は、有酸素運動を室内・マンションで続ける方法で紹介しています。

効果はいつから出る?期間を計算してみる

体脂肪1kgは約7,000kcal

厚生労働省は、体脂肪1kgを減らすのに必要なエネルギー量を約7,000kcalとしています。運動による消費量は「メッツ×時間×体重」で見積もれます。体重70kgの人が30分運動したときの、安静時を除いた消費量をまとめました。

運動(強度)30分の消費量1kg分(7,000kcal)に必要な回数
普通の歩行(3.0メッツ)約75kcal約93回
速歩(4.0メッツ)約105kcal約67回
軽いジョギング(6.0メッツ)約180kcal約39回
ランニング(8.0メッツ)約255kcal約27回

※消費量は厚生労働省ガイドの体重70kgの値(10分あたり)を3倍したもの。

速歩30分を週5回なら、週に約525kcal。1kg分の7,000kcalに届くまで、約13週かかる計算です。食べる量が変わらない前提でも、運動だけでは約3か月かかります。

食事と組み合わせると期間は縮む

同じ速歩30分・週5回に、食事で1日200kcal減らす工夫を足すと、週の合計は約1,925kcalになります。1kg分に届くまで約4週間です。ご飯を茶碗に軽く1杯減らす、甘い缶コーヒーを無糖に替える、といった変化でも積み上がります。1日の必要量の考え方は1日の摂取カロリーの目安を参考にしてください。

体重が変わる前から、体の中では変化が起きている

体重がなかなか動かなくても、運動が無駄になっているわけではありません。ガイド2023によると、週4メッツ・時(息が弾む運動を週60分程度)を満たす人は、生活習慣病の発症や死亡のリスクが約10%低いことが示されています。血圧や血糖、中性脂肪など健診の数値は、体重とは別に運動の恩恵を受ける可能性があります。

「体重が減らないからやめる」のが、最ももったいない選択です。

体重より先に見るべき指標

体重は、食事や水分で日によって上下します。最初の1〜2か月は、体重だけで成否を判断しないことが大切です。

  • 体重は毎朝同じ条件で量り、1週間の平均で比べる
  • ウエストを月に1回、へその高さで測る
  • 歩数や運動時間を記録し、週の合計が増えているかを見る

週の運動時間が守れていれば、数字は遅れてついてきます。

同じ時間なら、強度を上げると期間は縮む?

上の表のとおり、同じ30分でも、速歩からジョギングに上げると消費量は約1.7倍になります。時間がない人ほど、強度を上げる選択肢は魅力的です。ただし、強度を上げるほど、きつさとけがのリスクも上がります。まずは速歩で週の時間を確保し、慣れてから一部をジョギングや短いインターバルに置き換える順番がおすすめです。強度の高いHIITとの比較は、有酸素運動とHIITはどっちが痩せる?で詳しく解説しています。

運動だけで痩せにくいのはなぜ?

理由の一つは、ここまで見たとおり、運動による消費が思ったより小さいことです。速歩30分の約105kcalは、おにぎり半分強に相当します。運動後の「ご褒美」の一品で、簡単に帳消しになってしまいます。

ACSMの見解でも、運動は体重増加の予防や減量後の維持で重要な役割を持つ一方、運動だけでの減量幅は小さいとされています。会食が多い時期ほど、運動は「体重を増やさないための土台」と考え、減量は食事の調整と組み合わせるのが現実的です。

筋トレも加えておくと安心です。ACSMの見解では、筋トレそのものが体重の減りを大きくするわけではありません。ただし、除脂肪量(主に筋肉)を増やし、脂肪の減少を後押しする可能性があり、健康リスクの低下とも関連するとされています。厚生労働省のガイド2023も、筋トレを週2〜3日行うことを勧めています。有酸素運動の日とは別の日に、スクワットや腕立て伏せを10分ほど入れるだけでも始められます。

注意 急いで結果を出そうと、運動量を一気に増やすのは避けましょう。運動に慣れていない人が急に普段以上の運動をすると、事故やけがのリスクが高まります。健診で血圧や血糖を指摘されている人は、先に主治医に相談してください。

運動を始める時間帯で迷っている人は、有酸素運動に効果的な時間帯もあわせて読んでみてください。

今日からやること

  1. 「20分以上でないと無駄」という考えを捨て、今日10分だけ歩く
  2. 1週間の運動時間を記録し、まず週60分、次に週150分を目指す
  3. 1回は15〜30分に抑え、回数を週4〜5回に増やす
  4. 食事で1日200kcal減らす工夫を1つ決める
  5. 体重は週平均、ウエストは月1回で変化を確認する

FAQよくある質問

Q有酸素運動は20分以上やらないと脂肪は燃えませんか?

そんなことはありません。運動中は始めた直後から脂肪も糖も使われています。厚生労働省のガイド2023も、1回20分以上続けないと効果がないといった最短時間はなく、短い時間の積み重ねでも健康増進効果は得られるとしています。

Q有酸素運動を毎日1時間やれば、早く痩せますか?

消費量は増えますが、運動に慣れていない人が急に長時間行うと、疲労やけがで続かなくなるおそれがあります。まずは1回20〜30分を週5回ほど続け、体が慣れてから時間を延ばす方が現実的です。食事の調整も同時に行いましょう。

Q有酸素運動を始めて体重が減らないのはなぜですか?

運動による消費は思ったより小さく、速歩30分でも体重70kgの人で約105kcalです。体脂肪1kgには約7,000kcalが必要なので、運動だけでは数か月かかります。体重は日々の水分でも上下するため、1週間の平均とウエストで判断しましょう。

参考資料

  1. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 成人版 厚生労働省
  2. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023 身体活動とエネルギー・栄養素について 厚生労働省
  3. Appropriate physical activity intervention strategies for weight loss and prevention of weight regain for adults(ACSM Position Stand, Medicine & Science in Sports & Exercise, 2009) American College of Sports Medicine

この記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療に代わるものではありません。持病のある方、服薬中の方、体調に不安のある方は、医師などの専門家に相談してください。